高木です。
先週(10/14)の「ことば遊び」の続きです。
まず、くじ引きで選ぶための単語の数をさらに増やすために、最初に少しだけ「しりとり」をしました。やはりみんな、しりとりであっても、自分の詩に使いたいと思えるような言葉で続けようと思案します。日常的なものよりも「宇宙」や「空」に関係のあるものが人気です。最後に出てきたのは「アンドロメダ星雲」(「ん」でお終い)でした。
この取り組みは、作為を全く排して偶然のみに頼るというものではありません。あくまでも詩を詠むのは自分ですが、その着想において偶然性を利用してみようというのがねらいです。
では、できあがった詩を発表します。
まずはM君の詩。
金星から、地球のローマにテレポートしたらカカオのいいにおいで昆虫が飛んできた
地球から土星にテレポーテーションしたら雲がガラスになっていてつぶにもなっている
そしてT君の詩。
東西に金木犀の形をした雲のうず
ルビーのような色をした雲のうず
氷の国から鶴がうずのように、宇宙の水星へ飛びたって行く
それぞれに、非常に感性豊かな詩を詠んでくれました。もっと何回もやりたい、ということでしたが、時間が来たので、また今度。
M君の1つ目の詩からは、すぐにでも物語が始まりそうです。それはどんな面白い昆虫だったのでしょう? 2つ目の詩からは、土星の空にたくさんの丸いガラスのつぶが浮かんでキラキラと光っている情景がイメージされます。とても美しいですね。
T君は、1回目の5つの言葉から、2種類の「雲のうず」を想像してくれました。こんな雲が空にうずを巻いていたら、とても幻想的でしょうね。2つ目の詩も、非常に幻想的で詩的です。水星へ向かう鶴の、優雅な羽の動きまで見えてくるようです。
おもしろかったのは、本当に偶然なのですが、M君もT君も2回とも同じ言葉(M君は「テレポート」、T君は「うず」)を引き当ててくれたことです。最後にM君は、作った2つの詩をつなげて、「地球→土星→金星→地球」という宇宙周遊の物語を楽しそうに話してくれました。
エントリーを拝読し、言葉とたわむれる幸せということを考えました。絵心という言葉があるように詩心というものがあるのでしょう。我が身に照らしてみて、散文とはつきあうものの、この詩心は意識しないと見失いがちだと感じました。なにか歯を食いしばって取り組む課題ではないにせよ、大人になると(←言い訳)、なかなかこの詩心を守ることさえ難しいのだと思いました。