11/25 ことば4年生(A)

高木です。

今日朗読した詩は、大木篤夫の「小曲」です。

  想い かすかに とらえしは、

  風に 流るる 蜻蛉(あきつ)なり。

  霧に ただよう 落葉なり。

  影と けはいを われ歌う。

 朗読は、いつものことながら、しっかりできています。一週目よりも二周目、二周目よりも三周目のほうが、声が格段にはっきりと力強くなります。
 詩の内容については、「想い」「蜻蛉」「われ」など、全体的に言葉が少し難しかったようで、また「影」の意味がとりにくかったようです。が、言葉の意味について説明し、ゆっくり少しずつ読んでいくと、この詩がどうやら「秋」のこと、それも秋の始まりを歌っていることがわかります。M君とT君はそれに気づくと、それぞれに「なるほど」という顔をしていました。

 漢字の成り立ちは、先週の「車の部」の続編です。今週は「転」「軽」「輪」「輸」と、特別に「轟」をとりあげました。

「軽」は元は「輕」と書いて、つくりの部分は縦糸をかけた織り機の形です。そこにかけた三本の糸の真っすぐな様子から「かるい、はやい」という意味に転じたのだそうです。
 ここでT君は「自分の家にもはたおりがある」と言ってくれました。織り方を身振りも加えて説明してくれました。こうした「特別な体験」が、ひとつひとつの漢字を他とは代えがたいものとして記憶に刻んでくれるのだと思います。

「轟」(ゴウ、とどろ(く)) は、もちろん小学校では習わない漢字ですが、その形を見れば、成り立ちと意味について推測できるかもしれないと思い、いつも用意しているプリントで、わざとそこだけ空白にして、M君とT君に問いかけてみました。すると、車が三台並んでいる絵を描いてくれ、その車がいっぺんに走るとうるさいという風に答えてくれるのと同時に、他のものではなく「車が」融合する場合にだけ「轟」という字を使う、といった非常に面白い解釈も出ました。
 また、古代の中国の車は馬が引いていたという話をした時に、T君が、曰く「地上最長の漢字」として、次のような素晴らしくとてつもない漢字を発明してくれました。(画面上では分かれて見えますが、あくまでも一文字の漢字です。)
 116画(!)、読みは「こうきゅう」(「高級」の意) 、書き順は、最後に「玉」を書くのがポイントなのだそうです。みなさん、どのような成り立ちか、想像してみて下さい。

                 馬
                馬車馬
               馬 玉 馬
              馬車馬 馬車馬