高木です。
今日朗読した詩は、金子みすずの「草原の夜」でした。
ひるまは牛がそこにいて、
青草たべていたところ。
夜ふけて、
月のひかりがあるいてる。
月のひかりのさわるとき、
草はすっすとまた伸びる。
あしたもごちそうしてやろと。
ひるま子供がそこにいて、
お花をつんでいたところ。
夜ふけて、
天使がひとりあるいてる。
天使の足のふむところ、
かわりの花がまたひらく、
あしたも子供に見せようと。
難しい言葉がないせいか、今日の詩は特にイメージがわきやすかったようです。絵を描く鉛筆もよどみなく動きます。R君は、月を後光にした天使が空から降りてくる様子を描いてくれていました。詩の前半と後半のイメージが上手く重なっているなと思いました。
絵本は、アーノルド・ローベルの『ふたりはいつも』の「そりすべり」「クリスマス・イブ」、『ふたりはともだち』の「はるがきた」と、ピーター・スピアの『サーカス!』を読みました。
「そりすべり」はR君の、「クリスマス・イブ」はY君のリクエストです。Y君いわく、「クリスマス・イブ」は、いつも読んでいる『さむがりやのサンタ』の代わりなのだそうです。Y君は「クリスマス」それ自体が好きなのです。
「はるがきた」もリクエストです。ちょっと季節はずれですが、なかなか冬眠から起きようとしない「がまくん」を「かえるくん」が知恵をはたらかせて起こそうとするところがユーモラスです。がまくんが寝ているすきに、かえるくんがカレンダーをこっそりめくって「もう5月だよ!」と言うところで、みんな大笑い。
『ふたりは……』のシリーズは短編集ですが、それぞれの話には、まるで古典落語のような、独特の深い味わいと教訓があります。
『サーカス!』は、サーカス団が小屋を建て準備を始めるところからショーを経て後片付けをするまでを追った、ドキュメント・タッチの絵本です。「ドキュメント」といっても、易しい言葉で綴られています。ショーの場面はもちろん、舞台裏も克明に描かれているので、R君とY君は興味津々です。絵はまるで『ウォーリーを探せ』のように細かく豊かに描きこまれているので、文章で紹介されている人がどこにいるのかを探したり、別の部分に新しい物語を発見したりすることが、みんな楽しそうでした。読んでいると時間が足らなくなったので、続きは来週読みます。
いつも楽しい授業便りをありがとうございます。子どもたちはクリスマスが大好きですね。冬が近づき、クラスが終わる頃、さすがにあたりは暗いです。山の学校を出たところから見事な夜景が広がって見えます。クリスマスのイメージも重ねながら、子どもたちはきっと何かを感じながら家路につくのでしょう。