高木です。
今日は、北原白秋の「坊やのお国」を朗読しました。
坊やのお寝間(ねま)に何がある。
大きな鏡がかかってる。
鏡の向うに何がある。
川がたぷたぷながれてる。
川の向うに何がある。
山がお空へとどいてる。
お空の向うに何がある。
雲が雲へとつづいてる。
雲の向うに何がある。
大きなお日さんねねしてる。
お日さんの向うに何がある。
朝がまっかに明(あか)ってる。
意味にふれ、筆写をしたあと、Y君とR君の要望で、詩を作ることにしました。
それぞれおもしろい詩を書いてくれました。いくつか紹介したいと思います。(読みやすさのため、適宜改行しました。漢字など、本文はそのままです。)
ショッキだな
R
いつもきれいにならんでる。
きたないおさらが入ると、
きれいなおさらがさけぶ。
さけびかたは がしゃがしゃがしゃんがしゃん、
あまりにもうるさいからショッキだなのとびらをしめてしまうほどうるさい。
だからむりやりきたないおさらを入れてしまう。
「がしゃがしゃ」とさけぶ「おさら」、とてもユーモラスな詩だと思います。
詩を書くに際して、食器だなに着目するところも、なかなかユニークです。
ふゆ
Y
ふゆには、ゆきだるまで、あそびましょう
もしも、ふったらさむくなり、家からでていけず。
ゆきが、ふったらかまくらで、こたつに入って、こたつむり、
ストーブひゃっこ もっていけるかな。
こたつが、あったら入りましょう。
ねこと、あそんでおおさわぎ。
けいとが、あったら、つくりましょう。
ねこと、いっしょに、マフラーを、つくろう。
ひゃっこも千こも一万こも。
24日は、みんながたのしみ、くりすますイブだ。
どきどきわくわくたのしみだ。
31日はさいごの、二千八年だ。
これで、さい後の、山の学校
冬ならではの「あったかい」感じがよくでている、秀作だと思います。
「詩のさい後のぶぶんが良いですよ」と言うY君は、今日でクラスが今年最後なのを寂しがってくれていました。
クリスマス いち
Y
しゃんしゃんしゃん、サンタさんがやってくる。
しゃんしゃんしゃん、トナカイがやってくる。
しゃんしゃんしゃん、そりがやってくる。
しゃんしゃんしゃん、プレゼントがやってくる。
サンタさんがおちてきたらこんなおと ボテッ
トナカイがおちたらこんな声 おっとっと。
プレゼントがおちても、しーんとします。
そりがおちたら、ドッシーン。
あーうるさかった。
耳はふせぐ。
「しゃんしゃんしゃん」という鈴音が、クリスマスへの期待感をよく表現しています。
また、すこしドジなサンタクロースの根っこには、あの絵本『さむがりやのサンタクロース』があるのでしょう。「う〜、さむい」とか言いながら、そろそろ準備をはじめているのでしょうか。
Y君もR君も表現がじつに豊かになりました。去年から一回りも二回りも大きく成長された様子が感じられ、何より嬉しいです。詩を教材にお使いになっていること、また朗読を継続してこられたこと、すべてがよい形で結晶している、そんな印象を引用してくださった詩の作品から感じ取りました。