福西です。
冬学期最初の推理クイズです。
だい4もん
おさけのすきなある男が、「空っぽのさかだる」を<なにか>でいっぱいにしたところ、そのさかだるはさいしょよりもかるくなってしまいました。
いったい、男はそのさかだるをなにでいっぱいにしたのでしょうか?
それで「はい」ということで、せーの、「○○や△△でいっぱいにしたから!」と見事ゴール。ものの15分ぐらいで終ってしまいました。でも、園長先生から後で「帰り際にY君が『分かった~!と嬉しそうに説明してくれた』と聞き、きっと自信でいっぱいになってもらえたのではないかと思います。次回もぜひ挑戦してください。
残り時間は、書きたいという俳句の時間にしました。この「俳句の紙」もこのクラスで市民権を得てきたように思います。またこの頃は、ひらがなを書くことをそれほど苦にしなくなってきたことが、個々に目覚しい変化として感じられます。
そして、まだ時間的に余裕があったので、いつもより素話をたっぷりとすることができました。
T君の「一つ目巨人の後のオデュッセウスはどうなったのか?」というリクエストに答えて、続きを話しました。今回はオデュッセウス一行の船が、カリュブディスとスキュッラの両側に潜むメッシーナ海峡をどうやって通過したかというくだりです。(その間にも、「キルケ」「冥府行き」「セイレン」の箇所があったのですがつい飛ばしてしまいました。いつか戻って話すかもしれません)
カリュブディスは美しい巨人だったのですが、大食いがたたって、とある大切な牛を食べてしまった罰として、ゼウスに大渦を作る海の怪物に姿を変えられてしまいました。(どんな姿かはもっぱらの謎)
一方、スキュッラの方も大変な美人(人間)で、海の神グラウコス(半漁人です)に追いかけ回されていました。グラウコスは何とかスキュッラを振り向かせたいと思って、魔女のキルケに相談します(このキルケはオデュッセイアにも登場します)。けれどもキルケはあろうことか、このグラウコスに一目ぼれしてしまいます。(ここでKちゃんが身を乗り出しました)
そこでライバルを蹴落とそうと、恐ろしい毒薬の入った入浴剤(?)をスキュッラにプレゼントします。「これを水浴びの時に泉に入れるといいわ」そこで何も知らない不運なスキュッラはだまされてその薬を使ってしまいます。すると、突然「ガルルウ!」と猛犬の声がして、自分を追いかけてきます。逃げても逃げても追いかけてくるので、ついに泉から上がって姿を見てみると、何と自分の足がなくて代わりに六の犬の頭と二十四本の足がついているのです。(H君が特に、えーそんな、と素直な反応を返してくれていました^^)
そしてキルケの毒薬は、容姿の美しさと共に心の美しさまでも蝕んで、とうとう本当の人食い怪物にしてしまったのでした。何と!
さて、この二人の怪物は、ともにメッシーナ海峡の、シチリア島側とイタリア半島側にいて、この間を通るのは非常にムズカしく、もしスキュッラのちょっとでも近くを通れば、その六つの犬(あるいは蛇)の首に六人が食べられてしまいます(想像しにくいですが)。またカリュブディスのそばに寄って飲み込まれたら最後、生きて帰ることは出来ません。
さて、そこで我らがオデュッセウスはどういう判断を下したかというと、部下にはその危険を「内緒」で、わざとスキュッラの方を通るよう指示したのでした。それで「わあー」という声が聞こえるのを我慢して(つまりスキュッラに見られた不運な6人の部下は空中に連れ去られてしまいつつ)海峡を通過した、ということでした。(しみじみKちゃんが「だんだん人が減っていくなあ」と吐露していました)。
誰か(Syo君かH君かT君?)が「そこを通るのをやめて(シチリア島沿いに)遠回りしたら?」と言っていましたが、それはアエネアスという別の英雄がそうしたんだということをちらっと言いました。
このあと結局しかし、オデュッセウスは自分一人になってしまって、板切れ一枚につかまって漂着の憂き目を何度も重ねるのですが、とある場所でナウシカアという少女に助けられることを予告すると「それ知ってる! 風の谷の~」と口々に言っていました。
いろいろと書いておられますが、ものすごくレベルの高い(笑)授業ですね。みんなの頭は、吸い取り紙のようにすいすいあらゆる知識を吸収していくのでしょう。亮馬先生もあの手この手で授業を盛り上げてくださっていますね。この面々なら将来クラシックに対する偏見ももたず、また、現代語はもちろん、古典語も苦もなくものにするのではないでしょうか(^^)