今号の山びこ通信(2010/11)から転載いたします。
『将棋道場』(担当:百木 漠)
おかげさまで好評をいただいております将棋道場ですが、8月には夏休み特別企画ということで、将棋道場トーナメント大会を行ないました。総勢19名の子どもたちがトーナメントに参加して熱戦を繰り広げてくれました。
当日はこのようにトーナメント表を用意しました。子どもの頃って、こういうトーナメント表があるだけでなんとなくテンションが上がりませんか?(笑)子供たちも喜んで対戦結果を書くのを手伝ってくれました。
優勝候補はこれまでの将棋道場で圧倒的な強さを見せていたGくんだったのですが、Gくんが準決勝まで勝ち進んだところで予定が入っていたため無念の途中辞退ということになってしまいました。優勝する気満々だったGくんは途中で帰らなければならないことにかなり悔しそうな様子でした。残念だったのですが、また次回にその実力を発揮してもらえればと思います。
決勝戦は、準々決勝でいちどはGくんに惜敗した3年生のI.Mちゃん(Gくんが先に帰ったため復活して準決勝→決勝進出)と、最近着実に力を伸ばしている2年生のM.Kくん。決勝戦では、M.Kくんがやや緊張してしまったのか普段の実力を発揮できず、I.Mちゃんが終始戦いを優勢に進め、完封勝ち!将棋道場トーナメント大会初代チャンピオンはI.Mちゃんに決定です。
年長組から小学6年生まで参加したトーナメント戦で、小学3年生の女の子が優勝するとは、将棋の面白さを改めて知らされた気がしました。年齢・性別に関係なく、強くなれるし楽しめる。これが将棋の醍醐味です。
優勝したI.Mちゃんは普段から弟のI.Tくんと家で将棋を指して遊んでくれているそうで、ふたりともなかなか実力が伯仲しているので(今のところはI.Mちゃんがお姉さんとしての面目を保っているそうです)、一番いいライバルが身近にいることになります。普段から同じくらいの実力の相手と対戦を積み重ねること。これが何よりの将棋上達の近道なので、今回I.Mちゃんが優勝したのも納得です。ちなみに弟のI.Tくんもかなり強くなっているのですが、一回戦でいきなりお姉さんと当たってしまい(!)、残念ながら初戦敗退となってしまいました。次回以降の雪辱を期待したいところです。
また冬休みにこのようなトーナメント大会を開催できればと考えています。それまでに子供たちがどれだけ実力を伸ばしてくれるか、とても楽しみです。
9月には山下太郎先生のご好意により、解説用の大盤を購入していただきました。子供たちも駒の動かし方や対戦の仕方に慣れてきてくれたようなので、将棋のさらなる面白さを知ってもらうために、大盤をつかってワンランク上を目ざす解説ができればと思っていたところでした。山下先生、ありがとうございます。当日は早速、大盤を使って「囲い」や「詰将棋」の解説をしました。
今のところ、相当に強い子でも「囲い」や「詰将棋」がしっかりできている子はほとんどいません。逆にいえば、「囲い」と「詰将棋」がしっかりできるようになれば、確実にレベルアップして周囲の子たちにぐっと差をつけられるはずです。
これからも多くの対戦と練習を通じて、将棋の実力を伸ばしていってもらえれば、と思います。将棋道場がさらに盛り上がるよう僕も努力していきたいです。
(百木 漠)