今号の山びこ通信(2010/6)から転載いたします。
『将棋道場』(担当:百木 漠)
今年の3月から始まった将棋道場ですが、5月で早くも3回目を迎えました。幼稚園年長組から小学6年生まで、毎回20名前後の子どもたちが集まって、熱戦を繰り広げてくれています。初めはルールを知らない子どもたちも多かったのですが、今ではほとんどの子どもたちが実戦に取り組めるようになっています。毎回、初心者には亮馬先生がルールを教えてくださっており、駒の動かし方から細かいルールまで、亮馬先生にいちから教えてもらいながら、徐々に実戦に馴染んでいくことで将棋に親しんでもらうようにしています。毎回、新しい顔ぶれも増えていて嬉しい限りです。これからも、初心者・経験者を問わず、新しい参加者をお待ちしています。
将棋道場の始まりにはいつも、将棋が礼儀を重んじるゲームであることを子どもたちに伝えることにしています。勝負を始める前にはお互いに「よろしくお願いします」、勝負がついた後には「負けました」「ありがとうございました」の挨拶のやり取りをしてもらうようお願いしています。そうした礼儀をきちんと守ることで、相手のことを考えながら、勝負に真剣に取り組む姿勢が身についてくるものです。将棋道場に参加してくれる子どもたちには、将棋というゲームの面白さを理解してもらうと同時に、礼儀を重んじることの大切さも学んでもらえれば、と考えています。
ブログにも書いたことですが、将棋というゲームの良いところは、ルールさえ覚えれば年齢や性別に関係なく誰でも楽しめる点です。小さい子どもが大の大人を負かしたり、女の子が男の子を負かしたりすることも珍しいことではありません。実際に将棋道場でも、普段は接する機会の少ない学年の違う子どもたちが接戦を繰り広げている場面を何度も見かけました。将棋というゲームを通じて、このような学年の枠をこえたつながりができることは素晴らしいことです。
健哲先生が撮ってくださった写真から、子どもたちの熱戦の雰囲気を感じとって頂ければ、と思います。
僕自身、小学生のときには将棋というゲームに夢中になり、父やまわりの友達とよく将棋をして遊んでいました。負けたのが悔しくて涙を流したことも何度もありますし、格上の人に勝ってたまらなく嬉しかった思い出もたくさんあります。子どもの頃にそういう真剣勝負の経験をしておくことはとても大切なことだと思います。
将棋道場に参加してくれている子どもたちも、将棋という真剣勝負のゲームを通して、ひと回りもふた回りも大きく成長してくれることを願っています。
(百木 漠)