今号の山びこ通信(2011/6)から転載いたします。
『将棋道場』(担当:百木 漠)
おかげさまで将棋道場は二年目に突入しました。最近の将棋道場では、大盤を使って簡単な定跡講座を行っています。そろそろ子どもたちにも簡単な定跡や手筋を覚えてほしいなと考えてのことです。以前の山びこ通信で、強くなるためのコツはとにかくたくさんの対局をこなすことだと書きましたが、強くなるためのふたつめのコツは多くの定跡や手筋を覚えることです。定跡や手筋は、将棋の型(かた)に当たるもので、この形ならこう指す、相手がこういう指し方をしてきたらこう返す、という風に将棋の指し方をパターン化したものです。定跡や手筋をたくさん覚えていればいるほど、様々な場面に対応しやすくなります。将棋道場でも、棒銀や中飛車などの定跡を使う子どもたちが増えてきたようで、子どもたちが上達している様子を見てとることができます。
最近の将棋道場では、今年から将棋道場に参加してくれたRiくんが台風の目になっています。前回の将棋道場まで負けなしで10連勝!昇級がかかった対局でも、亮馬先生に6枚落ちと8枚落ちで勝利し、文句なしに3級から2級へと昇進しました。5月の将棋道場で僕と6枚落ちで指し、なんとか僕が1局勝って初黒星をつけることができましたが、その後続けて指した対局(同じく6枚落ち)では僕のほうが負けて、すぐに1勝1敗に戻されてしまいました。Riくんは将棋を始めてまだ1年もたっていないとのことですが、驚くべき強さです。できれば元将棋道場チャンピオンのGeくんと新チャンピオンのRiくんの対戦を見てみたいのですが、Geくんは最近忙しくてなかなか将棋道場には顔を出せないでいるようです。いつか新旧チャンピオンどうしの対戦が見られるかなと期待しています。
去年の将棋道場からずっと参加し続けてくれているのはKaくんやKoくんですが、前々回からはKaくんの妹のYuちゃんとKoくんの妹のKoちゃんも将棋道場に参加してくれるようになりました。ふたりともまだ駒の動かし方を覚えたばかりですが、2回目の参加ですでにサマになる勝負を展開してくれていました。時々、それぞれのお兄ちゃんに教えてもらいながら指している様子が傍から見ていて微笑ましいです。将棋を覚えたばかりの頃は、指し方のコツが分からず、なかなか勝負が終わらないので、退屈してしまう子も多いのですが、YuちゃんとKoちゃんが戸惑いながらも最後までちゃんと指してくれるのは、真剣勝負をしているお兄ちゃんたちの姿を見ている影響が大きいのかなと思ったりもします。
今年に入って続けて参加し続けてくれているSoくんやMiくんは毎回元気に将棋をさしてくれているものの、最近少し伸び悩んでいるようにも見えます。将棋は実力がどんどん伸びているうちはそれが面白くて集中できるのですが、実力が伸び悩むと集中力が続かなかったり対局に飽きたりしてしまうものです。このふたりの実力を引き上げて、さらに将棋の面白さを知ってもらうにはどうすればいいかな、と考え中です。まだまだ試行錯誤が続きますが、子どもたちに将棋の奥深さを知ってもらえるように今後も将棋道場を盛り上げていきたいと思います。
(百木 漠)