今号の山びこ通信(2011/11)から転載いたします。
『将棋道場』(担当:百木 漠)
将棋道場は始まってから1年半が経ちましたが、おかげさまで相変わらず盛況です。ただ、最近は同じ子供たちがずっと来続けてくれるというよりは、毎回新しい子供たちが来てくれて、どんどん入れ替わっていくような印象をもっています。小学1・2年生でも友達につられて、一度は将棋を指してみようと思ってくれるのでしょうか。その結果として、一度だけで満足して来なくなってしまう子供もいますし、その後も続けてずっと通ってくれる子供もいます。
現メンバーでいうと、将棋道場が始まってからずっと通い続けてくれているのはKaくんだけです。おかげでKaくんはずいぶんと将棋が強くなりました。学校の友だちなどにはそうそう負けないでしょう。将棋のセンスも良いです。ただ、3級の壁をなかなか破れないようで、ここからもう一段階レベルを上げるのには努力が必要かもしれません。KoくんやMiくんなどもよく来てくれています。とくにMiくんは最近やる気に満ちているようで、自分の腕前に自信もついてきたようです。先日、服部さんとの駒落ちで昇級に挑戦して残念ながら敗れていましたが、次の級に上がる日もそう遠くないでしょう。好きこそ物の上手なれという通り、難しい定跡などを習わずとも、熱心に通い続けていると自然と将棋は強くなってくるものです。元気がありすぎて、対局中についつい声が大きくなってしまうのが玉にキズですが(笑)、上級者の落ち着いた風格もこれから身につけていってほしいなと思っています。
Koちゃんや、M.Yuちゃん、N.Yuちゃんなども最近は続けて通ってくれています。女の子のなかには、将棋の1局が長いのに飽きてしまって途中でやめてしまう子も多いのですが、彼女たちは1時間を超えるような長い勝負でも、じっと根気強く将棋盤のまえに座って最後まで指し続けてくれます。これはとても偉いことだと思います。男女に限らず、低学年の子供たちはずっと将棋盤のまえに座って自分の手を考え続け、相手の手をじっと待っているだけでも、かなりの忍耐力がいるものです。こういう状況に飽きてしまう子が多いのも確かですが、概して女の子は男の子よりも集中力と忍耐力が強いもの。彼女たちはまだ将棋を始めてからあまり時間は経っていませんが、毎回確実に強くなっていますし、将棋を指す態度も模範的です。いつも頼もしく思いながら、彼女たちの熱戦を見守っています。
前回のトーナメント大会で優勝したRiくんは、相変わらず絶好調です。Riくんも一ヶ月ごとに確実に強くなっていて、そのうち僕たち大人も平手で負かされてしまいそうな勢いです。実際に山の学校以外にも、いろんな将棋クラブなどに出入りして大人たちと将棋を指しているらしく、僕もいつ追いつかれるかと戦々恐々としています(笑)。Riくんにも、Miくんと同じく、これからは将棋の強さだけでなく、上級者としての落ち着いた振る舞いも身につけていってもらえれば、と思っています。
以上のように、将棋道場は初心者から中上級者まで、いろんなレベルの子供たちが一緒になってわいわいと将棋を指しています。将棋の上手い下手にかかわらず、誰でも歓迎しますので、興味ある方はぜひ一度ご参加ください。お待ちしています。
(百木 漠)