山びこ通信(2011/2月号)の記事をご紹介しています。(以下転載)
『英語一般』 (担当:浅野直樹)
秋学期からスタートしたこの一般英語のクラスも2期目に入りました。前号の記事では英語を学習する動機や心構えについて述べました。今号の記事では一転して具体的な事柄について述べます。英語学習の方法論や有用な参考書やサイトにも言及しますので、よろしければご活用ください。
受講者の最初の状況が中学レベルの文法事項はだいたいわかるけれども高校レベルになると怪しいという状況だったので、1期目では高校レベル(一般レベル)の文法事項を一通りおさらいしました。こうしたニーズに合わせた参考書は書店にいけばたくさん見つかります。中をパラパラと見てみて気に入ったものを選べばよいのですが、個人的には『総合英語Forest』(桐原書店)が見やすいと思うのでおすすめします。
受講者の希望が大学入試や論文の読解というよりは日常生活で英語を用いるということでしたので、英作文を重視しています。欲張って難しい英語を書こうとするよりも、まずは一行程度の基本的な英文を自分の手で書くことを強くおすすめします。『基礎英作文問題精講』(旺文社)がよくまとまっていて分量も多いので、これ一冊がしっかりとできれば相当な力がついています。
もちろん関係代名詞や接続詞などの構造を把握できるようになることも大事です。無闇に複雑な構造を読み解く必要はありませんが、”It is ~ for … to do”といった基本的な構文になじむことは必須です。「構文」と銘打った参考書も書店に行けばたくさんあります。その中で一つ挙げるとすれば『英語の構文150』(美誠社)です。ただし全部の練習問題をやろうとすると相当な時間がかかります。見出しになっている例文だけでも十分価値があります。
あとは語彙でしょう。目安としては『速読速聴・英単語Daily1500』に収録されている語をすべて覚えていると日常生活の大部分をカバーできます。そして単語を覚えようとするときに意識してもらいたいのが語源です。「0124 一般英語」のブログ記事でも紹介した、スペースアルクの「語源学習法」や「松澤喜好の語源の扉」をお読みいただけるとイメージが湧くと思います。
実際に会話をするということであれば、リスニングの練習もしたくなることでしょう。これも今ではいろいろな方法がありますが、ここでは二つだけ紹介します。一つは「NHK語学番組」です。特にラジオは「基礎英語1~3」→「ラジオ英会話」→「実践ビジネス英語」と段階別になっていますし、とても良質です。いくら技術が発達しても内容の質が大切なのには変わりありません。日本語から離れたければ「BBC learning English」などがあります。この他にも探せばいろいろあるでしょう。
自分の英語のレベルを知りたいということであれば各種の試験があります。日本の中学や高校の延長で比較的取り組みやすいのは英検です。英検2級に合格できると一つの区切りになります。リスニングをもっと重視して実際のコミュニケーション能力に重点を置きたいならTOEICです。その目的が留学用であるTOEFLとは異なりますのでご注意ください。
せっかくのやる気を生かせるように、その人にふさわしい方法を紹介するように努めています。
(浅野直樹)