ことば1年A(火曜日)

福西です。アップが遅くなってすみません。3週間の流れをご報告します。

初回は、顔合わせに、幼稚園で楽しかったこと、小学校のことを順番に教えてもらいました。でもみんな気恥ずかしいのが本音で、なかなか素直に言ってくれませんでした。しかしそれも成長している証だという印象を受けました。また、小学校よりも幼稚園のことの方が若干話しやすそうでしたので、後の展開は、幼稚園の先生にお手紙を書きました。ひらがなはまだ習っていないのが前提なので、口頭で私が書き取るつもりでしたが、幾人かの生徒が自分でどんどん書いていくのに驚きました。もちろん字はまだ書けなくていいです。書きたいという気持ちを持ってもらう(それを学校で生かしてもらう)ことが、このクラスでの当面の目的です。

文面は、「せんせい、おちゃをわかしてくれてありがとう」「むしかご、ありがとう」「はいくをおしえてくれてありがとう」「いまなんのくらす(の担任)ですか?」「いもうとの○○をよろしく」など、ほほえましい、今しか書けないような言葉が並んでいました。お返事が楽しみですね。

2回目は、俳句をしました。
最初に黙想を20分かけて、1分間「しーん」とできることを目指しました。たったの一分ですが、必ずその間に誰かが「ぷっ」と笑ってしまいます。幼稚園でできていたからといっても油断大敵です。それができてから、俳句を一つ暗唱しました。

花のくも かねは上野か 浅草か  芭蕉

「これ知ってる!」とY.Y君が言いました。それもそのはずで、Y君が幼稚園のころにお家で調べて書いてきてくれたものです(調査済み)。このように、ほかにもみんなが幼稚園のときに書いてくれた俳句がありますので、それを登場させながら、興味を起こして行こうと考えています。

後半は、お楽しみの俳句カルタをしました。俳句を読んで、その頭文字のひらがなをさがすというものです。強い子は強いですね。しかも意外と大人しそうに見える生徒がそうです。「K.R君、めっちゃつよい!」とまわりから声が上がっていました。序盤悔しかった生徒も、待望の一枚が取れた時は嬉しそうで、それが2枚、3枚となっていきました。

余った時間は、素話をしました。「さるのしっぽはなぜ短い」をしました。

3回目は、なぞなぞをしました。最初は、私が問題をお手紙に書いて一人ずつに配り、解いてもらうところから入りました(結局はみんなで考えることになりましたが…)。どうやら、O.Y君がなぞなぞが得意なようで、いつでも答えに近いところを突いてきて、鋭かったです。

次は、自分たちでもなぞなぞを書いて、出し合いっこをしてもらいました。なぞなぞを思いつかない生徒は、俳句でもいいことにしました。なぜかT.R君が人気者で、みんなのお便りが集中していました。お便りがなかなか来ない生徒には、適宜私が書きました。またRi君、Y.Y君、T.R君の三人は、なぞなぞで私に挑戦してきました。

今回も、口頭で言ってもらったのを私が代筆するつもりでしたが、ただそれだと逆に恥ずかしくなる生徒もいたので、あまり代筆がフォローになっていないことを反省しました。次回からはもっと口頭が中心となるようなことば遊びを、たとえば「しりとり」をしてみたいと思います。

素話は、五月の節句にちなんで、「めし食わぬ女房」をしました。

けちんぼの桶屋が「飯を食わない女房がほしいなあ」と言ったところ、本当に飯を食わない、しかも働き者の女房がやってきます。けれどもその正体は…。その頭の後ろにある大きな口がとてもこわーい話です。ちなみに一人が耳をふさぐと、他の生徒もみんなふさいでいました。その女房の正体を知った男は、かろうじて助かりますが、その時逃げ込んだのが、菖蒲とヨモギの生えている草むらでした。ちょうどその日が五月五日だったということです。それ以来、男の人は結婚の際の厄除けに、菖蒲とヨモギをお供えするという言い伝えです。