ことば4~5年(木曜日)

福西です。今回からいよいよ作文に取りかかっています。

Aちゃんは、お兄ちゃんの『ファーブル昆虫記』を今熱心に読んでいて、その中の一つのお話から『みっしつミステリー』という題で書いてくれました。スジハナバチの巣では、卵の部屋にはきちんとふたがされているのですが、その中にスジハナバチヤドリゲンセイという甲虫が入っていて、一方そのふたにはどこにも侵入するための穴が開いていないのです。では、どこからゲンセイが入ったのだろう? という密室のミステリーです。Aちゃんの書き方は、初めてそのことを知る読者を念頭においているのか、抑制の効いたとても読みやすい文章です。

Hi君は『北極熊』のことを書いてくれました。アザラシに対する狩りの仕方や、世界最大の肉食獣であるといったことが書かれていました。自然の中で自らのスタイルを変えず生き抜く勇敢な彼らが、絶滅の恐れにさらされていることは、今なお驚きです。まるで人間におけるインディアンのようにも思いました。その続きから、サーベルタイガーなどの『絶滅動物』の作文を書いてくれました。人間が原因で絶滅した動物のことを、人間関係絶滅動物と言うそうです。「ああ、アウストラロピテクスのことも書けばよかった」と、まだまだ知っていそうでした。次回作が楽しみです。字の綺麗さと、無駄なく一字一句を書き進める筆の勢いには、漢文のような格調があります。どちらも原稿用紙一枚の長さですが、よくまとまっていました。

Mちゃんは、図鑑を片手に、『ミツバチの一日』と題して、調べたことを書いてくれました。先週の授業で話したことを自分でも膨らませてくれたことがうれしいです。「雨の日やくもりの日は、みつが出ていなかったり、花びらがとじていたりするので、よってこないのです」という内容は、私も初めて知りました。そういえばミツバチは晴れによく見られますね。全体にミツバチに対する賛意がこめられている、やさしい文章を書いてくれました。

Eちゃんはミステリーがいいということで、推理小説仕立てで書き始めています。なにやら殺人事件のにおいがしますが、内容はまだ内緒です。書いているうちに推理クイズを思いついたそうで、わくわくしながら話の弾むところが、Eちゃんらしいです。できあがったものを見せてもらうのが楽しみです。

最後の時間は『オルペウスとエウリュディケ』の話をしました。内容については、この後のことば2年生の記事を参照下さい。