高木です。
今日はそれぞれ、創作の続きをしました。
先週、Y君が「本みたいにして書きたい」と言っていたので、今日は試みに、原稿用紙を半分に折ってページにして、白い紙で表紙をつけた、原稿用紙を本のように綴じたものを、Y君にお渡ししてみました。するとY君は「すごい!」と言って、表紙にタイトルを書いて、さっそく物語を書き始めてくれました。
ただ、本の形に綴じてしまうと、結果的には最初から沢山の原稿用紙をお渡しすることになってしまうので、Y君の場合は、その残りページが「ここまで書かなければならない」というプレッシャーとなってしまうようでした(私は逆に「ここまで書きたい」「本を作りたい」という動機付けになるのではと期待していましたが)。それでY君には、元の平らな原稿用紙のかたちに戻ってもらいました。混乱させてしまう結果になって、申し訳なく思っています。
Rちゃんは、学校で起こる出来事をえがく、新しい物語を書き始めようとしていました。見ていると、彼女は、原稿用紙に書き始める前に、創作ノートにいろんなアイデアをメモして、構想を練っておられました。その姿勢がすばらしいと思うとともに、どんな物語になるのか、今から楽しみです。
Kちゃんは、今日ひとつの物語を完成させました。『メイちゃんのしつじ』というタイトルで、同名のドラマをモチーフとして創作した、優しく楽しいお話でした。「ルチア女学園」というお嬢様学校では、生徒一人一人に執事がつくのだそうですが、そこに入学した主人公の「メイ」には、「りひと」という執事がついて、そこで恋愛やライバル争いなどが起こります。Kちゃんは会話文を書くのも上手で、言い回しの表現がとても滑らかだと思いました。
おもしろいな、と思ったのは、物語の本編を始める前に、『メイちゃんのしつじのお話について』という、本でいえば「まえがき」にあたるような文章を書いてくれていたことです。自分が書いた物語をさらに自分で説明しているのです。先週の自己紹介のときに、Kちゃんは書き手側の発想を持っているのではないかということをブログの記事に書きましたが、その彼女の意識の高さを、今日は再認識することができました。
>それでY君には、元の平らな原稿用紙のかたちに戻ってもらいました。
さりげなく書かれていますが、ここには子どもの気持ちをくんだ「対話」があったのだと思います。
>創作ノートにいろんなアイデアをメモして、構想を練っておられました。
本格的ですね。いつも言いますが、みかけはあくまで小学生でも、心意気は大人です。
>本でいえば「まえがき」にあたるような文章を書いてくれていたことです。
よく本を読んでおられるのでしょう。作者になりきっているという感じがしますね。
このクラスでの「創作」の取り組み。
誰もがそうですが、創作はゼロからいきなり始まるものではなく、このクラスのお子さんのアイデアや文章は、細かく見ていくと、あちこちに何かの模倣の要素があるかもしれません(タイトルも、場面設定も)。しかし、こと文学に関していえば(絵画や音楽も?)、創作は模倣の連続であり、小林秀雄にいわせると、模倣は尊敬の言い換えなのであります。
創作の原動力は、すてきだ!という気持ちなのですね。