『ラテン語初級文法』 (担当:前川 裕)
この冬学期は開講されませんでしたが、ラテン語を学びたい方へのご案内をさせていただきます。
ラテン語は、紀元前後頃に古代のローマを中心として使われていた言葉です。ローマ文化はギリシャ文化と並んで西洋文明の基礎といわれてますが、それを支えていたのがラテン語(そしてギリシャ語)です。もちろん古代のものであるがゆえに、長い時の間に失われてしまった本もたくさんありますが、残っている本もやはりたくさんあるのです。それらは、西洋の古代・中世・近代を通じて学ばれ、歴史に大きな影響を与えてきました。これらの著作についても近年日本語訳が進み、内容に触れることがだんだん容易になってきました。
しかし、どんなものでも原文に触れることは大きな喜びであり、驚きであり、発見があります。日本語訳を参照しながらラテン語原文を読んでみると、また違った味わいがあります。ラテン語についてのテストは必要ありませんから、日本語訳と一緒に読むのもご本人の自由です。
ラテン語の初級文法を学ぶことは、人類が伝えてきた大きな文化遺産への窓口となります。古代の言葉ゆえ、やはり易しいとはいえません。しかし、山の学校では4ヶ月で初級文法を終えることが可能なカリキュラムを取っています。文法を終えた後は、もうラテン語原文を読むことが可能になります。ラテン語の知識は、一生涯の財産として輝き続けることでしょう。
あなたもぜひ、ラテン語の世界に足を踏み入れてみませんか。
(前川 裕)
『ラテン語初級講読』 (担当:前川 裕)
冬学期では、ラテン語訳の新約聖書を読みました。「マルコ福音書」を最初から読み進め、折に触れてキリスト教や歴史などの解説を織り交ぜています。まとまった文章を読むことは、同じような表現が何度も出てくるということでもあるので、だんだん読み慣れてくることができ、読むスピードも上がります。それが自信につながってきます。もっとも、分野が変わるとまた一から…、となってしまうのですが、それは母国語であったとしても同じことですね。
聖書という宗教的テキストを読む以上、どうしても専門的な表現や術語が出てきますが、それらについてもできるだけ客観的な解説を加えていくようにしています。キリスト教の知識は西洋文化を理解する上で必須ですから、ラテン語プラスキリスト教で一回で、二度役に立つ授業かもしれません(笑)
大学院生と社会人の方と、私を交えて3名での講読です。人数が少ないこともあり、クラスは和やかな雰囲気で進んでいきます。
次の学期に読むものは未定です。受講希望の方々の希望を踏まえて、テキストを決めたいと思います。初級文法を終えた程度であれば十分に参加できますので、独学で文法をやったが読解の基礎を固めたいという方にもお勧めします。
(前川 裕)