「ラテン語初級講読C」──山びこ通信より(2010.11)

『ラテン語初級講読C 』(担当:前川裕)

引き続きセネカ『ルキリウスへの手紙』を、2名の受講者とともに読んでいます。セネカは、いかに俗世に対処するかという点について、主にエピクロスの引用をもとに語っていきます。世の中に追われるのではなく、自律的に生きよう、という呼びかけは、現代でも全く古くなっていないといえるでしょう。

毎回Loebで17行程度を読んでいますが、受講者の習熟とともにだんだん読むスピードが上がってきました。少し時間が余ることもあるので、小ネタを用意して本文読解以外の楽しみ方も提供しています。例えば参考となる書籍の紹介や、古いラテン書写本を読んだりしています。普段、現代の活字ばかりを見ていると、写本の手書き文字は新鮮です。また特殊な用字もあり、パズルのように楽しみながら読んでいます。

初級文法を一通り学んだ方であればご参加いただけます。一緒にラテン語の世界を歩いてみませんか。

(前川 裕)