福西です。この間1年生が作ってくれた俳句をご紹介します。
<Iちゃん>
つゆのあめ てるてるぼうず ぬれている
ねこさんは おみずをのんで おいしいな。
ねこさんは おめめがくりり かわいいな。
こいぬがね スキップみたいに あるくんだ
なつやすみ あさがおいっぱい さくのかな。
一句目は、「つゆのあめ」という表現が、しっとりとした余情が感じられていいです。「てるてるぼうず ぬてれている」という表現もまた何とも言えないです。二句目からは、前作からの流れで「つばめ、ねこ、こいぬ」と続いていますね。最後のあさがおの俳句も、あさがおへの期待と、夏休みへの期待と重なり合うところがあります(つまり客観と主観とが一致しています)。
総じてIちゃんの俳句には、あるときは静物画のようだったり、あるときは少し先のことへの淡い期待感だったりと、絶妙な揺れ動きの中で、とても落ち着きを払った上品さが感じられます。Iちゃんの中でもきっと俳句を作ることが自信になりつつあるのでしょう。紙が足りないときは、いつもノートに書いてきてくれることにもそのことが現れているように思います。今あるそのノートは後に残れば残るほど貴重なので、ぜひ大事にしてください。
<T.R君>
すいえいは およぎのとっくん するところ
おほしさま いろんなせいざが できるんだ
一句目は、水泳を習っていることの気概を表してくれました。おそらくT.R君は泳ぎが得意なはずです。「とっくん」という響きにこめられた自信がいかにもいいですね。二句目は、ちょうどたなばたの日に授業で作ってくれたものです。昔の夜空は本当に真っ暗闇で、今よりも星が輝いていたのでしょう、星座やそれにまつわる神話が出てきてもおかしくないぐらいに…。キャンプや川にも行くのかな? この夏休みの出来事もまた、ぜひ俳句を通じて教えてください。
2学期、みんなの俳句も楽しみにしています。
>今あるそのノートは後に残れば残るほど貴重なので、ぜひ大事にしてください。
本当にそうですね。目の前の日常は日常だけに当たり前で、その中に未来の宝が紛れていることには普通気がつかないものです。