福西です。
1年生の作ってくれた俳句をご紹介します。
Moちゃん
おじいちゃんとお休みの日に一緒にお出かけした時のことでしょうか。「やなぎ」の次が「幽霊」と思いきや、「のっぺらぼう」という連想がユニークです。特別の短冊もまたいいですね。さて問題です。短冊に描かれている柳の絵の下にいるのは誰でしょう? また、何をしているのでしょうか?
Moちゃん
ほたるがいっぱい かわのうえ
さかなが いっぱい いけのそこ
きょうは いいひだ こはるびより
きんぎょが はちで ぱたぱたおよぐ
はるは みどりの ひろがりだ
そつえんしき ともだちばいばい かなしいな
はるがきて さくらがさいたら いちねんせい
「こはるびより」という言葉は誰から教えてもらったのでしょうか。「みどりのひろがりだ」は、Moちゃんならではの瑞々しい表現だと思います。Moちゃんの言う「かなしいな」にも共感します。普通に卒園してばいばいという意味ではなく、小学校同士が離れてしまったことを指すのでしょう。その意味では、Moちゃんにとって山の学校が幼稚園時代のお友達との何らかのつながりとなれることを願います。
Iちゃん
つばめさん ひながうまれた かわいいな
いぬさんは おさんぽすきだ だいすきだ
おとうさん まるむしのおと まるくなる
ながれぼし あっとゆうまに きえていく
ながれぼし きらきらきらき きえていく
先週に引き続き、今週は5つも作ってきてくれました(しかも率先してノートに書いてきてくれました)。「つばめ」を見たのは、学校の中でしょうか、それとも学校に行く途中かな? 私も今年はなぜかよく見かけるように思います。白川通り沿いに2つ、どちらも雛が3、4羽ぎゅうぎゅうづめでにぎやかに鳴いていました。きっとIちゃんはそれ以前から毎日の変化を見ていたのでしょう。
「おとうさん」は、また不思議な俳句ですね。「ながれぼし」の2句も、「ああもいえる、こうもいえる」といううれしさが出ています。決定句ができるまでにバリエーションを重ねることは、芭蕉もよくしています。ところで、もうすぐ七夕ですね。
Saちゃん
かぶとむし はやくせいちゅう かえってね
この俳句を持ってお山に上がって来てくれた時には、開口一番「かえった!」と伝えてくれました。また夏休みにかぶとむしの俳句ができそうですね。
Hiちゃん
つりざおで いっぱいとれたよ さかながね
うみず(づ)りで いっぱいとでたよ あじとかが
かたつむり どんどんのぼれ ふじのやま
今週作って来てくれた新しい俳句3つです。「海釣り」という言葉は、きっとお父さんの口から耳で聞き覚えたのでしょう。「いっぱいとでたよ」の「と」に味があります。「あじとかが」も響きが面白いですね。家族で釣りに行ったのかな? 夏休みもいっぱい思い出を俳句にしてくださいね。
俳句は子どもが本物の文学に出会う身近な経験になります。このクラスでされているように、自分も何かつくろうという意欲もかきたてられます。いくつ作ってきなさい、という無粋な宿題があるわけでなく、出来た人が出来ただけ発表するというスタイルもよい空気を醸し出しています。きっと夏休み後のクラスには、たくさんの作品が提出されることでしょう。