福西です。
1/26の記録です。
今日は、『祇園精舎』の暗唱してから、源平合戦の続きをしました。
暗唱ではいつも、私だけ机を別にして座り、そこに生徒の方から言いに来てもらいます。列ができていたら、後ろに並んでもらいます(その間も練習してよいです)。そして2行とか、半分とか、目標を決めて、できるところまで挑戦してもらいます。ある程度クリアしたり、つまって覚えなおした方がよければ、自分の席に戻って、クリアしたところも含めて、また練習します。そして、自信が出てきたらまた並びに来る、ということの繰り返しです。実はこれが私の小学校の時のスタイルでした。
文字情報は、念のため配ってはいますが、できれば自分の声ないし人の声で耳から覚えるのがベストです。
これまでしてきた『寿限無』『金看板(ん廻し)』は、多少なりとも言葉の意味が取れるので、まだやりやすかったかと思いますが、今回はそれがないので、8行でも難しいと思います。それなので、「いみわから~ん」というものはそのまま『いみわからんもの』として、ゆっくり音楽として覚えていきましょう。
また一方、色々とはっぱもかけました。「これは『平家物語』というお話の出だしで、本当はもっともっと長いもので、それを琵琶法師という人たちはすべて覚えていて歌うことができる」などと。そうこうするうちに、いつの間にかBクラスでもした『耳無し芳一』の話になりました。これが、思ったより「しーん」として聞いてくれました。こちらも興に乗って、少しのつもりが最後まで話してしまいました(笑)。やっぱり怖いものは聞いてくれますね。何が怖い要素かというと、ざっとこんな感じだろうと思います。
・幽霊の声(の主が、芳一には見えないこと)
・墓場に座って、幽霊たちに囲まれながら歌うこと
・体に書いたお経の部分が、幽霊には透明に見えること
・耳だけが宙に浮かんでいるように見えること
・その耳を最後に引きちぎられること
想像力豊かな一年生には、話している私以上に、リアルに感じられるようでした。それで、暗唱の話にもつなげないといけないので、話し終わってから一つ質問しました。
「さて芳一は、目も耳を聞こえなくなって、この後どうしたでしょう?
1 くやしくて、うらみがつのって、人生なにごとにもやる気を失った。
2 耳が聞こえなくなった分ますます歌の練習をして、日本でも指折りの琵琶法師になった。
さて、どっちでしょうか?」
もちろん、お約束にこたえて全員が「2」に手を挙げてくれました(笑)
「…というわけだから、芳一が頑張って覚えたように、みんなも最初の8行だけを覚えてみよう」という、強引なオチでお茶を濁しました。
さて、残り時間は、先週の『源平合戦』の続きをしました。
源氏27枚、平氏25枚からスタートです。
(やはり源氏側のRyo君、Y君は、「この前負けた」と思って、それを引きずっていたようでした)
途中割愛して、最終的に、
源氏 2枚
平氏 8枚
となりました。源氏が実は逆転したのです。げんきんなもので、Y君が「このゲームって……おもしろいなあ!」と言っていました(笑)
それでも平氏側のRi君は、なかなか男前です。逆転されてからも、決して勝負をあきらめない態度が立派だなと感心しました。Iちゃんももちろん、いつも取ることだけに専念しています。
さてこの後、Ri君とIちゃんが連続で1枚ずつ取り、差を4枚につめました。Ri君が思わず「よっしゃ、いけるかも!?」とおたけびを上げていました。しかしお互いの力のぶつかり合いの結果、Ryo君とY君がそのあと1枚ずつ取って、そこでゲームは終了しました。
前回の逆転につぐ逆転で、源氏チームの勝ちとなりました。でも途中Ri君が見せたように、最後まで「いけるかも!?」と思った意気込みを、私は高く評価したいと思います。両チームとも、善戦おめでとう。
帰りは、山の下まで、また祇園精舎を言いながら帰りました。するといつの間にか4行ぐらいまで言えていたので、びっくりしました。
>強引なオチ
事前に言おうと用意されたのでしょうか(笑)。どちらにせよ、子どもたちには強いメッセージになったと思います。大人になると、案外この手のエピソードをよく忘れずにいたりしますね。