ことば2年B 初回〜2回目

 小林です。
 ことば2年Bのクラスを担当させていただくことになりました。
どうぞよろしくおねがいいたします。

 先週分と今週分の報告させていただきます。

 先週は最初に「平家物語」の冒頭部分の素読をこころみました。
 素読では先生の読みのお手本にならって生徒さんが続けて読んでいくということをしますが、その主眼は意味を考えたりということにではなく、まず文字のイメージと音を身体になじませるということにあります。難しい漢字もルビをふってそのままにしておき、自然と馴染んで覚えていくようにします。
 「国語」では文章読解と鑑賞に重点がいきがちで、色々な「意味」や「説明」を詰め込んで、結果こどもがいやになるということが間々あるように思います。素読だと音や文字の形が文章のリズムごと自然と身体になじませることができるのではないかと思います。漢字も自然と覚えていけるはずです。
 素読も無理矢理やらせると「言葉嫌い」になってしまう危険はありますが、無理なく楽しく「ことばの土壌」とでもいうべきものを養えるような形で、毎回少し時間をとって取り組みたいと考えています。明治初期までの日本人が英語をはじめとした外国語を摂取するときの基礎体力として素読で培った素養が大きな役割を果たしたとしばしば言われます。即効性は期待できないにせよ、耳と目と口とハートを耕していけるのではないかと思います。
 昨年亮馬先生のクラスで「祇園精舎の鐘の音〜」と楽しそうに暗誦している声が聞こえてきていたので、先週の初回はその続きを少しやってみました。「〜おごれる人も久しからず、ただ春の夜のゆめのごとし。たけきものもついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ」のところまでは、おそらく多くの方が記憶されていると思うのですが、その後の部分はなかなか知られていないのではないでしょうか。少し難しかったのですが、次の部分まで読みました。

「遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の周伊、唐の禄山、これらは皆旧主先皇の政にもしたがわず、楽しみをきわめ、諌めをもおもいいれず、天下のみだれんことをさとらずして、民間の愁うるところを知らざしかば、久しからずして、亡じにしものどもなり」

 点で区切りながら私が読んで、その後に子どもたちが読むという形でいきました。冒頭部分にくらべると区切り方が難しく、リズムがのってこない感じも少々反省点が残りました。

 それもあって今回はリズムのいい漢詩に切り替えています。

 渡水又渡水 看花還看花 春風江上路 不覚到君家
 (トスイユウトスイ、カンカカンカンカ、シュンプウコウジョウロ、フカクトウクンカ)

 「尋胡隠君」という有名な詩で、日本語に読み下したものも併読しましたが、漢音で読んだ方が楽しいようでした。特に「カンカカンカンカ」のところのリズムがこころをつかむようでした。帰りがけにも覚えて口ずさんでくれていたので少し身体に響いたかなと思います。

 素読の後は先週も今週も俳句づくりをしています。
みんな最近あった楽しいこと、どこかに行ったこと、そして今の気分を中心につくってくれますが、今週できたものから2句ほど紹介いたします。

 「しょうぎはね はじめてやって 負けちゃった」Sちゃん
 先日の将棋道場に参加したときのことを詠んでくれました。将棋のコマの絵入りの力作でした。

 「かめむしは くさいよくさい さいあくだ」Tくん
 今週教室にカメムシが迷いこんできて、みんなで外ににがしてあげたのですが、そのときのインパクトでできた句です。

 俳句も継続的に取り組んでいきます。

 来週はゴールデンウィークでお休みですが、明けてまた元気なすがたに会えるのを楽しみにしています。お話を読んだり、ことばをつかってのゲームも考えています。