青春ライブ授業!(第7回目)

『青春ライブ授業!』第7回目(2004年9月24日)(山びこ通信2004年11月号より転載)

講師:T.Fuzita

題名:『The English and I』

 

──講師からの感想──

今回は、わたしが英語を勉強した過程をお話しました。自分で考えても少し珍しい方法だと思います。そして、この話を聞いて他の方が同じようにしようとしても、ほとんどの場合、同じようにはできないと思います。

そこで、自分に合った勉強スタイルを見つけることが大切になります。わたしのやり方では多くの人が面倒くさいと感じます。誰だって面倒は嫌いです。

自分に合ったスタイルとは、面倒を面倒と感じさせないようなやり方なのです。

学校の先生は忙しくて、生徒一人一人に合った勉強のスタイルを探してあげるようなことはできません。勉強の内容を提示することはできても、個人の勉強方法を模索することはできません。これを見つけるには、自分自身で探し歩くしかありません。

最初は、自分の興味があることを何でも取っ掛かりにして始めればよいでしょう。

幸い英語は、どんなものにでも非常になじみやすいものです。なぜなら、わたしたちが普段日本語を使用している全ての場面を英語に置き換えることができるからです。

ゲームが好きな人は、インターネットを介してたくさんの英語のゲームが手に入ります。マンガが好きな人は、ちょっと大きな本屋に足を運べば、日本のマンガの英語訳がたくさん手に入ります。

音楽が好きな人は、歌詞が英語の曲は無限にあります。日本語の歌を自分で英語訳してみるのもおもしろいでしょう。

少し考えれば英語の勉強と思わずに英語が上達するような手段はたくさんあります。それに気付く前の段階で投げ出してしまうと、知らず知らずに大損をしてしまいます。

そうなる前に、みなさんが知らず知らずに英語の勉強ができることを願います。

 (T.Fujita)

──司会者より──

中学生の頃、初めて出会ったコンピュータ(マック)と楽しく遊ぶ(=ハイパーカードのプログラム)ため? 英語の勉強に自然と夢中になっていった…という流れに、たいへん共感を覚えました。

「自分の英語力、タイピングスピードを向上させるには、どういうプログラムを考えればよいか?」というところから、ソフトをどんどん改良し、その実験台としての自分がそのプログラムに挑戦し(=英語の勉強になっている)、もっと自分を鍛えるにはどうやればよいのか? また考える。

大好きなコンピュータを使ってソフトの改良にいそしむことと、自分の英語力を鍛えることとが、良い循環を生み、結果的にFujita先生の英語の力をどんどん伸ばしてくれたのです。

高校時代に、市販されている単語集、例文集をすべて自分用にプログラムし、その中身を完全暗記&日本語例文→英文の瞬間タイピングができるまで、技を極めておられた点、すごいなと思いました。

教科書の英文も、タイピングスピードを向上させる目的に添った「資料」にすぎず、その副次的効果として英語の読解力、表現力が知らず知らずのうちに身に付いた、というエピソードは示唆的に思われました。

語学の場合、「追うと逃げる、逃げるから追う」という悪循環に陥りやすいのですが、Fujita先生のように最初から「追わぬが勝ち!」だとしみじみ思います。

ただ、その方法として、市販されているPCソフトに手を出したりするのではなく、「自分で」「自前の」プログラムを作る、という点に勉強のオリジナリティがあるわけで、誰もがそのまま、まねできる話ではありません。

しかし、勉強を「自分流に」組み立てていく、という発想や具体的な手法については、誰もがヒントを得ることのできるお話だったように思います。

プレゼンテーションの点でも、パワーブックとパワーポイントを鮮やかに使いこなしておられ、私自身たいへん楽しく参加させて頂きましたことを、あらためて感謝申し上げます。

 (山下太郎)