福西です。1年生の3人がこれまでに作ってくれた俳句を紹介します。
Tちゃん
なつがくる いろんなむしが とんでくる
ふゆがきて サンタクロース プレゼント
おつきさま とおいおそらに あるんだよ
どうぶつえん いろんなどうぶつ いるんだよ
でんわはね いろんなひとと はなせるよ
R君
はいしゃさん ほんがいっぱい あるんだよ
おべんきょう みんなですると たのしいな
ちょうちょはね ひらひらとんで たのしそう
とけいはね じかんおしえて くれてるんだよ
Hちゃん
いちねんせい ともだちできたら たのしいな
しょうぎはね かちまけあるよ かったんだ
せんたくは、 ほしたりとったり いそがしい
おつきさま きいろいひかり きれいだな
表現したい内容が明確なことと、それをすらすらと頭から引き出せること、そしてリズムと字がしっかりしていることに驚きました。ところどころ見せるセンスが光っています。1年間の成長は大きいものだと感じます。これからコメントをつけていくやり取りが楽しみです。
なつがくる いろんなむしが とんでくる
ふゆがきて サンタクロース プレゼント(Tちゃん)
「~がくる」という言葉を上手に畳みかけています。その「~」の部分には、夏・冬という「季節」と、虫・サンタクロース・プレゼントという「物」とが並置されています。1年生とは思えない技に驚きました。
おつきさま とおいおそらに あるんだよ(Tちゃん)
もう1つTちゃんの句より。この間満月がきれいだったのをどこかで見かけたのでしょう(偶然Hちゃんも月を取り上げています)。一見平易に見える句ですが、「とおいおそら」という表現には、Tちゃんにとって深い意味が込められているように感じました。遠くても、それは確かにあって、その存在に思いをはせているTちゃんに心を動かされました。これからも素晴らしい俳句を作り続けてほしいと思います。
はいしゃさん ほんがいっぱい あるんだよ(R君)
これはいい目の付け所です。待合時間の光景ですね。私の場合は、散髪屋さんがぱっと連想されました。「歯医者」というと、普通嫌なイメージが浮かびますが、「ほんがいっぱいあるんだよ」と、H君はむしろ好意的に、歯医者さんに行くときのよい思い出を伝えようとして、この句を思いついたのでしょう。いい句に仕上がっています。
おべんきょう みんなですると たのしいな(R君)
R君にそう言ってもらえるのが、何より私としては嬉しいです^^ 今のクラスは、息の合った3人ですね。
しょうぎはね かちまけあるよ かったんだ(Hちゃん)
この間将棋道場にはじめて参加して、はじめて駒を盤に並べた体験のことですね。「新鮮そのもの」の句で、日常・非日常の体験をすぐに切り取れることは、Hちゃんの大きな才能だと感じました。最後の「かったんだ」がほっとしますね。
せんたくは、 ほしたりとったり いそがしい(Hちゃん)
これもいい句です。母の日にプレゼントとして、たくさんお母さんのお手伝いをしたそうです。「~したり」「~したり」とリズミカルな調子が、お母さんのてきぱきした手つきをあらわしており、それをまねてみたところ、「いそがしい」という感想を持ったHちゃんの様子が目に浮かぶようです。「いそがしい」=「お母さん」に対するオマージュの俳句ですね。