ことば5~6年

 福西です。

 秋学期最初のクラスは、特別なものにしたかったので、読書マラソンをしました。この日選んだ本は、岡田淳『竜退治の騎士になる方法』です。これに1時間をすべてあてました。もちろん音読でです。

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 音読となると、このクラスではEちゃんが張り切っています。そして「今日は?今日は本読みあるの?!」と毎週楽しみにしてくれていて、他の生徒もそれにつられて、全体にいいムードができあがっています。

 ルールは「。(まる)読み」でしています。そして少し前までは100といえばほとんど夢のような大台でしたが、今ではそれを超えることも稀ではなくなってきました。(Eちゃんはこの日合計するとあと3つで300でした)。それなので、ルールも変更せねばならず、100まで到達したら一度そこで「セーブ」しておいて、101から続けられるようにし、ひとまず次の人に番を回せるようにするといった配慮をしなければならなくなってきました。

 今回の作品は、端的に言えば「想像力」がテーマですが、もちろんそんな表面的な言葉では伝わらない、読んだ人にしか分からない中身の面白さがあります。
 
 またこの物語には一つ変わったところがあって、以下のように関西弁で文章がつづられていることです。

「ほら、バスがあったやろ、あしたの観劇会の。この人、劇団の役者さんやねん。ほんまの竜退治の騎士とちゃうねん。そやから、竜は来えへんねん。」

 これがかえって生徒たちには「読みやすい」と好評でした。一方、

「劇団の役者が竜退治の騎士であっては、なぜいけないのだ」
「竜退治の騎士が料理人であってもいいではないか。竜退治の騎士が大工であっても、運転手であっても、ピアニストであっても……。」
「その人が竜を退治する限り、その人は竜退治の騎士ではないか。」

と、ゴチックで書かれたところは、劇のセリフであり、畳み掛けるような調子がとても小気味よいです。

 1時間を少しオーバーしてしまいましたが、何と72ページまで読み進みました。残すところあと30ページ。来週は普通に読んでもゴールできるでしょう。2週間で読みきるというのは、このクラスでは初めての出来事です。

 読書では時にペースアップすることも大事ですが、この日は相当大きな満足感が味わえたものと見え(みんな口々に言うようなことはありませんが)、あと少し残ってしまったことを悔しそうにしていました。そして「続きがめっちゃ気になる!」と誰かがみんなの気持ちを代弁してくれたことが、何よりの収穫だと感じました。