高木です。
『怪人二十面相』の朗読や筆写では、真剣な時間が流れています。
朗読に詰まると、横から読みを正す声が。
自分が朗読の番でなくても、一緒に心のなかで朗読しているようです。
実はダイヤモンドを見張っていた壮一君こそ、当の二十面相の変装でした。
宝を奪った二十面相は、そのまま二階の窓から飛び降りますが、
花壇で幼い壮二君の「鉄の罠」にひっかかり、庭であやうく捕まりかけます。
そこを彼は、いわゆる「水遁の術」でやり過ごし、
羽柴家のおかかえ運転手・松野と変装で入れ替わり、悠然と車で脱出するのです。
物語は読者に推理を誘うように書かれており、
壮一君が二十面相だったこと、そして松野が二十面相だったこと、
そういう真相は、少しストーリーが進んだ後から、明かされるように構成されています。
しかし松野の一件については、M君とH君ともに、
即座に「こいつが二十面相や!」と、少年探偵さながら指摘してくれました。
だんだん二十面相の手口が分かってきたようです。面白くなってきました。
M君は、「『怪人二十面相』、自分でも借りようかな」と言っていました。
後半は、漢字の成り立ちについて学びました。
今日は「木」(きへん)の回です。
まず知っている字を書き出してもらいましたが、じっくり時間をかけて思い出してもらった結果、
「杉」「林」「机」「相」「植」「棒」「松」「枝」「板」「柱」「桜」「樹」など、
かなり多くの字を書き出してくれました。
こうして「木」に集中してみると、ある特徴が見えてきます。
木の名前(柿、桃、桐、樫、楓、柳)や木の部分(枝、株、根、梢)はスタンダードですが、
木を「材」料とした物についても、よく「木」(きへん)が使われていることが分かります。
(たとえば、柱、机、棚、杖、板、杭、柵、橋、難しいものでは「橇(そり)」など。)
「机」を書いてくれたときに、「そうそう、昔から机は木でできてるもんな」と私が言うと、
「じゃあイスは?」とM君が質問してくれました。するどいなと思いました。(イス=「椅」子)
また、挙げてくれた漢字から派生する字についても、
「相」→「泪」、「植」→「値」、「板」→「坂」、「柱」→「住」「注」などを挙げてくれました。
慣れてくると、各部首を思い出して、それを総当り的に当て嵌めていくことになります。
前回は「氵」(さんずい)だったので、そこから「あ!『泪』!」「『注』!」となったわけです。
「林」→「沐」については、参考までに紹介しました。
自然の浄化作用によって心身を洗い清めることを「沐浴」といいます。
>自然の浄化作用によって心身を洗い清めることを「沐浴」といいます。
このこと「だけ」を伝えると心に残りにくいですが、上にお書き下さったような「展開」の後だと心に深く刻まれるように思います。