福西です。当日の様子をダイジェストでお伝えします。
トップバッターは、3人の1年生。落語の言い回しなど7つを浪々と暗唱しました。(暗唱のテキストは「こちら」)
次は2年生5人。自分たちの作った俳句を、発表会用に大きなカードに仕立てて披露してくれました。
「ほたるはね ひかっているとき しゃべってる」Sちゃん
「そうげんは きもちい風が ふくんだよ」Sちゃん
「はしるとね 風がいっぱい ふいている」Hちゃん
「ろくがつは あじさいさいて きれいだな」Hちゃん
「雪ふって つもった後に きらきらと」Mちゃん
「おもちつき もちもちつきたて おいしいな」Mちゃん
「ゆう日はね 町の光と 同じだな」K君
「よるになる ほしを見るのが たのしみだ」T君
「ブランコで 町のふうけい みわたすと そろそろよるに なってきたぞい」T君
(発表順)
そしてもう一つの2年生クラスは、自作カルタ大会。自分でルールの説明から司会まですべてこなしてくれました。
2回戦とも、異様な盛り上がりを見せているところ。
6年生クラスのH君とM君は残念ながら学校の行事で参加できず。かわりに高木先生がどんなことをするつもりだったのか説明してくれました。「山の学校のかいがクラスの絵が怪人20面相に盗まれた! その隠し場所が、ある漢字によって示されているのだが、みんなはその20面相からの挑戦状に受けて立てるか?」というものでした。
お次は3年生クラスによるディベート。テーマは「大好物は、先に食べるか? 後に食べるか?」。2チームに分かれて論陣を張りました。
・先に食べる派の主張。
・それに対する反論。
・後に食べる派の主張。
・それに対する反論。
・両者結論の主張。
という流れでした。争点となったのは、「大好物の味をどのように解釈するか」でした。先に食べる派のメインの主張は、「おいしい味を2倍おいしく感じるために先に食べた方がいい」というもので、後に食べる派のそれは「おいしい味は、苦手なものをがんばって食べるための補助になる」というものでした。
最後の「まとめ」を書いているところ。
ラストを飾ったのは、5・6年生クラス。ミステリー作品の発表でした。(このクラスだけ写真が撮れなくてすみません)。原稿はこちら>『消えた少女』
どのクラスの発表も見ごたえ、聞きごたえばっちりでした。来年も楽しみです。
福西 2011/03/22 05:04 PM
福西です。3年生クラスのディベートの追記です。
先に食べる派の主張は、「大好物を2倍おいしく感じること」と、「後の苦手なものの味を消すことができる」という二つのメリットをあげていました。
またそれに対する後に食べる派の反論は、「おなかがすいている時に2倍おいしく感じられるのなら、おなかがいっぱいになってきている時に苦手なものを食べることも2倍つらいのではないか?」「好きな味がそんなに長続きするだろうか? それなら苦手なものを先に食べて、あとから好きな味で隠しても順番が違うだけで効果は同じではないか」というものでした。
一方、後に食べる派の主張は、「苦手なものを克服するごほうび(後のお楽しみ)の意味があること」というメリットをあげていました。
そしてそれに対する先に食べる派の反論は、「大好物を後回しにすると、おなかがいっぱいになってきているので、十分おいしく感じられなくて損ではないか」「ごほうびという考え方は、苦手なものを料理した人に失礼ではないか」というものでした。
「失礼ではないか」という意見に対しては、後に食べる派は、こう説明していました。
「苦手なものを好きになることが目的で、味を消すことが目的ではない。我慢して食べているうちに好きになるかもしれないので、ごほうびというのは、あくまでそれまでのやる気を出させるもの」と。(これは確かに、先に食べる派の「好きな味や飲み物で苦手な味を消す」という意見よりは積極的に感じました)
次に先に食べる派が出した意見は、次のようなものでした。
「飲み物は普通ごはんの最初よりも最後に飲むものだが、苦手なものの味は、好きなものでというよりもむしろ、飲み物で消すことができる。だから、先に好きなものを食べておく方がいい」「というのも、逆に好きなものを後に残しておいた場合、飲み物がその味を薄れさせてしまう可能性があるから」と。
またその自説の補強として、「のどが渇きやすいのは、ごはんの前半よりも後半」という意見も出していました。
このように、かなり複雑なところまで議論を展開させていました。どちらのグループも事前に原稿を用意して挑んだだけあって、意見に芯があり、「なるほど」とうなずかされることしきりでした。
個人的には、「反論意見の鋭さ」は後に食べる派に、「擁護意見の畳みかけ」は先に食べる派に、より深くうなずきました。
レポートをありがとうございました。写真付きで臨場感があります。実際に日頃のクラスで取り組んでいる成果のほんの一部をご披露いただく形であったにせよ、このような場があることで、4月からのそれぞれのクラスの取組によい動機付けが与えられると思います。
ディベートも面白いです。私の想像では、両派とも家に帰ると相手の主張を試したのではないかと思います^^
最後の小説は短くとも印象的で、不思議な穴にぐいぐい引き込まれるように私も「引きずり込まれました」。