百木です。
9月27日の将棋道場のご報告です。
今回はいつもに比べ参加人数はやや少なめでしたが、そのかわりに5人の初参加者が来てくれました。毎回少しずつ新参加者が来てくれるのも嬉しいことです。
早速大盤を使って、「囲い」について説明させてもらいました。
将棋が強くなるためには、攻める前にしっかりと自玉を「囲う」ことが大切です。ここでいう「囲い」とは、王様を戦場から遠ざけて金銀などの駒で守ること。イメージとしては、戦争で本格的な戦いが始まる前に、しっかりと自陣を守るためのお城を築くのを想像してもらえば良いと思います。囲いの種類
説明のときも話したのですが、(強い子も含めて)これまでのところ「囲い」がしっかりとできている子はほとんどいませんでした。そこで、今回の将棋道場では「囲い」を意識して対局をしてみるようにアドバイスしました。
すると、ほとんどの子たちがそれぞれのやり方で王様を「囲い」ながら対局に挑んでくれていました。こういう素直な反応はこちらも嬉しくなります。「囲い」をマスターすれば、ぐっと将棋は強くなるはずなので、これからも子供たちには「囲い」を意識して勝負に挑んで欲しいと思います。しっかり囲ったうえで(守ったうえで)、がんがん攻める。これが将棋の基本です。
今回は人数が比較的少なめでいつもより余裕があったので、中務先生や太郎先生、亮馬先生や僕も子どもたちと対局しました。子どもたちにとってはお父さん・お母さんを除けば、目上の上級者と対戦することはなかなかないと思うので、いい機会になったのではないでしょうか。目上の人、格上の人と勝負することで、経験値がつき、将棋の実力がアップすることもさることながら、落ち着きをもった大人と対戦することで、将棋や勝負に対する姿勢を学ぶことも大切だと思います。子どもたち同士で対戦しているときは、ときに大きな声で話したり動きまわったりしながら対局している子どもたちも、中務先生や太郎先生と対戦するときには、さすがに神妙かつ真剣な顔つきでぐっと集中して対局をしてくれているように見えます。
I.Mちゃん、I.Tくん姉弟と対戦してくださった太郎先生は「二人とも強くなったなぁ」と仰っていました。本当にこの姉弟の成長ぶりには目を見張るものがあります。特にI.Tくんは初回で全敗して悔し泣きしていたのが懐かしいくらいに、見違えるほど強くなり、そして明るく元気になりました。
I.Mちゃん、I.Tくんの他にも、GくんやG.Tくん、Kくん、Sちゃんなど毎回来てくれている子どもたちは、みな確実に強くなってきています。少しずつ将棋を指す「コツ」が分かってきたのではないでしょうか。それぞれに棋力のばらつきはありますが、「継続は力なり」は誰にも等しく当てはまる言葉だと感じさせられます。
今回も健哲先生、亮馬先生に撮っていただいた熱戦の様子をご覧ください。
また、最後には「詰将棋」についての簡単な解説をしました。これまで詰将棋の宿題を配ってきたものの、詰将棋についてきちんと説明をしたのはこれが初めてでした。詰将棋とは、簡単にいえば、配置された駒の状態から王手王手の連続で相手の玉を詰めるゲームで、終盤力・読みの力を鍛えるための練習問題です。この詰将棋をたくさんを解くことも、将棋が強くなるための近道のひとつです。将棋の上級者、プロは日々のトレーニングとして大量の詰将棋を解いています。
今回はあまり時間もなかったので、一手詰めと三手詰めの詰将棋をそれぞれ一問ずつ紹介しました。もしよかったらお父さん・お母さんと一緒に、宿題に取り組んでみてほしいです。大人にとっても、いい頭の体操(脳トレ)になると思いますよ。ぜひお試しあれ。一手詰め・三手詰めの例
来月の将棋道場も多くのご参加をお待ちしています!
詳細なレポートをありがとうございました。写真もたくさん撮影していただき、これも感謝します。ひょんな流れで、私も二局指すことになりました。IT君は驚くほどの急成長を遂げています。記憶力がよく、手筋をしっかりと覚えていると思いました。ただ、自分が一手指す毎に、その意図を解説してくれるのはご愛敬。途中痛恨のミスをしたため、流れが変わり勝たせてもらいましたが、本人もそのことが相当悔しいようでした(終わってからしばし無言)。IMちゃんはこちらが矢倉に組むのを見て、百木先生の解説(=王を囲む)のことを私に語ってくれました。大駒を見事ゲットしたまではよかったのですが、歩が切れてしまい、攻めが続きませんでした。これまた相当悔しかったと思います。私との一局が終わるのを見計らい、TG君がIMちゃんに「やろう」と誘いました。IMちゃんは一瞬考えてから「いいよ」と返事。チャンピオンクラスの対決です。TG君は一つ前の対局で、中務先生から「歩の大切さ」を教わっていました。IMちゃんも同じことを学んだはずです。私は用事があり、二人の対決を見ることが出来なかったのですが、結果はどうだったのでしょうか。この日の全体の取り組みを見て感じたことは、’’小学生の子どもたちと将棋の相性は抜群である’’ということです。これからこの道場がどのように展開していくのか、私も楽しみにしています。
そうですか、TGくんとIMちゃんのチャンピオンクラス対決があったことは知りませんでした(別部屋で行われていたのですね?)。僕もその結果は気になります。果たしてどちらが勝ったのでしょうか?
ITくんは太郎先生に負けて相当悔しかったようですね。僕がいた部屋のほうに戻ってきたときも唇を噛み締めながら僕に負けたことを報告してくれました。将棋は一瞬の油断が命取り、最後まで集中力が求められるゲームです。そのことを身をもって理解してくれたのならば、それがまた彼の大きな成長につながるのではないでしょうか。