0810 英語読書会

浅野です。

英語読書会の第15回です。範囲はp.89, l.9~第7章の終わりまで進みました。最近は慣れてきたのかペースが上がってきたように感じます。

いよいよ寮分けです。新入生はアルファベット順に呼ばれて帽子をかぶり、その人に相応しい寮を宣言されます。トップバッターはAbbott Hannahという女の子でした。彼女は”pigtails”の髪型をしていたと描かれていて、ブタのしっぽのように短く髪を結んでいるのかと勝手に想像していたら、実際は三つ編みのようなお下げを表していることがわかりました。彼女はハッフルパフに選ばれたので、英国でもおさげの人は大人しくて真面目だというイメージがあるのでしょうか。

新入生たちは順番に寮が決められていきます。グレインジャー・ハーマイオニ(Granger Hermione)は望みどおりグリフィンドールに決まりました。一方ハリーは不安に駆られます。

A horrible thought struck Harry, as horrible thoughts always do when you’re very nervous.

いきなり”you”が出てくるのでびっくりしますが、そういうときはたいてい一般人称の”you”です。この部分を訳すなら「恐ろしい考えがハリーを襲った。(一般に人が)とても緊張しているときには恐ろしい考えが襲うものだから。」くらいでしょう。ここでの”as”は”because”で解釈しておきます。自分がどこにも選ばれなかったらどうしようという恐ろしい考えです。

ネヴィル・ロングボトム(Neville Longbottom)はグリフィンドール、ドラコ・マルフォイ(Draco Malfoy)は当然のこととしてスリザリン、そして残りの生徒の名前が次々と呼ばれていきます。そしてついに”Potter Harry”と呼ばれます。あのハリー・ポッターかとどよめきが上がります。帽子はハリーをどこに入れようかと悩みますが、スリザリンは嫌だというハリーの願いを聞き入れてグリフィンドールと宣告します。学校に向かう列車でいっしょだったロン・ウィーズリー(Ron Weasley)は無事に兄たちと同じグリフィンドールに選ばれました。最後は”Zabini Blaise”と名前が呼ばれて、その人がスリザリンに決まって寮分けは終わりました。

ここで疑問に思ったことがあります。英語圏では普通「名前・名字」の順(Harry Potter)で表記し、実際にこれまでこの本でもそうなっていました。ところがこの寮分けの時に先生から呼ばれるのは「名字・名前」の順(Potter Harry)で、しかも名字のアルファベット順になっていました。魔法学校ではない現地の普通の中学校などでもそうなのでしょうか。ご存知の方がいらっしゃいましたらお知らせください。

全員の寮が決まったら歓迎会です。ダンブルドアはこう言います。

‘Welcome to a new year at Hogwarts! Before we begin our banquet, I would like to say a few words. And here they are: Nitwit! Blubber! Oddment! Tweak!

この最後の部分が謎でした。直訳すると「まぬけ、脂肪、残り物、おまけ」です。Harry Potter and the Philosopher’s Stone を英語で読むハリーポッター 原書からの訳についての解説を読んで納得しました。私なりに訳してみます。「ホグワーツの新しい年にようこそ。宴会を始める前に少し話をしよう。『宴会前に少しの話なんて余計なものだ』」

それを受けてハリーは’Is he — a bit mad?’とパーシーに聞きます。普段は冷静で礼儀正しいハリーにしてこの大胆な発言は少し驚かされます。”mad”を軽い意味で取っても「あの人、ちょっとおかしいの?」くらいになりますからね。

テーブルの上はご馳走でいっぱいです。

roast beef, roast chicken, pork chops and lamb chops, sausages, bacon and steak, boiled potatoes, roast potatoes, chips, Yorkshire pudding, peas, carrots gravy, ketchup and, for some strange reason, mint humbugs.

といってもほとんど肉とポテトではありますが。最後のハッカアメは以前ハグリッドのポケットにも入っていました(0512 英語読書会)。何か意味があるのかもしれません。

ハリーは幽霊も含めたグリフィンドールの人たちと楽しい食事をします。その会話からネヴィルの家族がどのようであるかもわかりました。その楽しい食事にも一つだけ気がかりなことがありました。ある先生と目が合うとハリーに痛みが走りました。その先生はスネイプという名前の先生です。

He teaches Potions, but he doesn’t want to — everyone knows he’s after Quirrell’s job. Knows an awful lot about the Dark Arts, Snape.

薬を教えているけれどもそれに不満で、クィレル先生の後釜を狙っているようです。最後の文の”lot”がどの意味なのかわかりにくかったですが、素直に”a lot”で「たくさん」と捉えればよいようです。あと、主語のSnapeが文末に来ています。

デザートまで食べ終わるといくつかの注意事項をダンブルドアから聞きます。

‘And finally, I must tell you that this year, the third-floor corridor on the right-hand side is out of bounds to everyone who does not wish to die a very painful death.’

まず、”the third-floor corridor”について、映画では4階だったという指摘を受けました。そう、英国式の階の数え方では日本語の「1階」を”ground floor”と呼ぶので、”first floor”が「2階」であり、この”the third-floor corridor”は「4階の廊下」です。

これを聞いてハリーは笑って”He’s not serious?”とつぶやきました。大胆ですね。やはりこのときのハリーはいつもと違うような印象を受けます。魔法界の常識を全然わかっていないということでしょうか。

最後にみんなでホグワーツの歌を歌って解散です。指示通りにみんなバラバラに歌ってダンブルドアは満足します。

そして寮へと向かいますが、その道中では不思議なことがたくさんあります。肖像画がヒソヒソ言っていたり、ポルターガイストに遭遇したりと。部屋に入るためには肖像画の女性にパスワードを言わなければなりません。そのパスワードは’Caput Draconis’で、ラテン語だと思うのですが、「竜の頭」という意味でしょうか?そういえば紋章にラテン語が書かれていることを以前指摘してもらいましたが(0325 英語読書会)、4つの寮が4つの動物に対応しているような気もします。そうすると別の寮では「ヘビの尻尾」とか言っているのかもしれません。それだと「竜頭蛇尾」でパッとしませんけれどね。

長い一日もこれで終わりです。ハリーたちはベッドに入ってすぐに眠りました。ハリーはスリザリンに入れられるという怖い夢を見ましたが、そのことはすっかり忘れて次の日を迎えました。

今回はここまでです。次回は8月27日(金)の18:40からを予定しています。