浅野です。
英語読書会の第3回です。都合により先週と今週は連続開催で、次回は3月12日(金)の18:40~です。お間違えのないようにお気をつけください。
Dudley’s favourite punch-bag was Harry, but he couldn’t often catch him. Harry didn’t look it, but he was very fast.
前半部は「ダッドリーのお気に入りのサンドバッグはハリーだったが、ダッドリーはハリーをそれほど捕まえることはできなかった。」という状況です。問題は後半部で、この”look”は”look at”ではないので「見える」と解釈して訳すと、「ハリーはそうは見えなかったがとてもすばしっこかったのだ。」となります。捕まえられそうで捕まえられないハリーを想像すると、これも魔法の片鱗かもしれません。
練習用に加工された文章ではなくリアルなままの文章なので私にもわからない箇所が多々あります。例えば”popkin”や”sweetums”といった単語は手近な辞書を引いてもなかなか見つかりません。文脈からして子どもに呼びかける言葉だとは推測できます。また、ハリーは”cupboard”に住んでいるのですが、私はそれを不思議に思いながらも「食器棚」だと思っていました。しかしイギリス英語で”cupboard”というと「戸棚」を指すのだと担当のMさんから教えていただきました。勝手な思い込みを修正できるというのも読書会の醍醐味です。
最後に文法的に難しかった箇所がありました。以下の文です。
Harry knew he ought to feel sorry that Mrs Figg had broken her leg, but it wasn’t easy when he reminded himself it would be a whole year before he had to look at Tibbles, Snowy, Mr Paws and Tufty again.
いつもダッドリーの誕生日には家族や友人とお出かけをするのだけれども、ハリーはのけものなのでフィグおばさんのところに預けられて、ネコの話ばかり聞かされるから嫌になるということがこの箇所以前にわかっていました。だから最後の固有名詞はネコの名前だと考えられます。
意味を取りづらかったのはbut以下です。まず最初の”it”は”to feel sorry … her leg”を指すことを確認しました。”he reminded himself”の部分を直訳すると「彼は自分自身を思い出させた」となりますが、自然な日本語にすると「彼は思い出した」くらいでよいでしょう。二つ目の”it”は時や天候を表すときに用いられる意味のない”it”です。その次の”would”が曲者で、私は最初、過去の習慣を表す用法かと思いました。これらを総合して全体を訳すと
ハリーはフィグおばさんが足を骨折したことを気の毒に感じるべきだということはわかっていたが、ティブル、スノーウィー、ポーズ、タフティーをもう一度見なければならなくなるまでに丸一年があったものだということを思い出すと、気の毒に感じることは簡単ではなくなった。
となるのではないかと思いました。しかし変な感じがします。そこでCさんが、”would”は単に”will”の過去形で、”remind”を「思い出させる」ではなく「気づかせる」で解釈するとうまくいくと指摘してくれました。その線で訳しなおすと次のようになります。
ハリーはフィグおばさんが足を骨折したことを気の毒に感じるべきだということはわかっていたが、ティブル、スノーウィー、ポーズ、タフティーをもう一度見なければならなくなるまでに丸一年(の猶予期間)があるだろうということに気づくと、気の毒に感じることは簡単ではなくなった。
こちらのほうがよいですね。そもそも”would be …”とbe動詞(状態動詞)が用いられているので過去の習慣と考えることはできません。過去の状態なら可能ですが、”would”にその用法はありません。
といったところで今回は時間になりました。一冊を読み通したいです。
充実した取り組みになっていますね。
>一冊を読み通したいです。
最後まで読み切ったら、すごいですね。山頂から見るパノラマの風景はどんなにすばらしいことでしょう。
何ヶ月も経ってからのコメント、失礼いたします。
読書会の取り組み&本の内容がたいへん興味深く、毎回レポートを楽しみに読ませていただいています。
「どんな方が参加されてるのかしら?」と遡って、今更ですがこのエントリーにたどりつきました。
"cupboad" ですが、私が英国に住んでいた子供のころ、階段下の収納庫をそう呼んでいたと記憶しています。
正確には、綴りも分からぬまま聞いたままの「カッバード」と呼んでいて、あとから"cupboad"?なぜここが?
と可笑しく思った記憶です。
我が家のカッバードの扉は、ベニヤ板に簡素なアイアンか何かの取っ手がついており、
階段の手すり(木製の柵のようなもの。いちおう1本1本が曲線に彫刻されている)と同じく白塗りされていました。
扉の裏にはフックがあり、犬の散歩用のリードがかけてありました。
中には、掃除機(hoover・・・布バッグがじかにくっつけられてある現役の骨董品!)や、
車の修理に使うジャッキ(英国の人はDIYで車も治します)のほか、
犬のエサなどがストックされていたと思います。(もっとかさばるものは、地下倉庫・・・セラー?へ)
かくれんぼで、子供2人が身を寄せ合って入り込める程度のスペースはあったと思います。
読書会レポート、これからも楽しみにしています。
少なくとも、うちの息子(小1)が中学生になるまでは、続けてくださいね(^^;
山下です。コメントをありがとうございます。イギリスで住んでおられたとのこと。これはもうぜひ「読書会」にご参加ください、と申し上げるほかありません^^ 隔週開催と聞いています。一度よろしければぜひご見学にいらしてください。
コメントありがとうございます。拙いレポートを読んでいただいていることは大きな励みになります。
"cupboad"ですが、私はこの記事で「戸棚」と書いてしまいましたが、この日は「物置」ではないかと話していました。つい字面に引きずられてしまいがちです。具体的な描写をしていただいてだいぶイメージが湧きました。確かにそれで本文での描かれ方とつじつまが合います。
息子さんが中学生になるまで続けているかとうかはさすがにわかりませんが、少なくともしばらくは続けております。次回は7月23日(金)の18:40~山の学校の教室か離れで開催予定です。毎回の終わりに次の回の日を決めます。よろしければご見学にいらしてください。
山下太郎先生、浅野先生、あたたかなお返事をありがとうございました。
一緒に学ばせていただきたいのは山々なのですが、下にもっと小さな子もあり、
外出がままなりません。
当面は、浅野先生の丁寧なブログを楽しみながら、時間がとれれば
ハリーポッターの該当箇所を開いて、疑似体験するのが関の山です。
息子が中学生になった暁には、一緒に通いたいと思います^^
太郎先生へ
私は山の学校の先生方とすれ違う機会はありますし、
浅野先生にもお目にかかっているのでは?と思うのですが、
なかなかお名前とお顔とを一致させる術がなく、ご挨拶できずにおります。
子供の送迎時など、もしタイミングがあいましたら、一言ご紹介いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
>浅野先生にもお目にかかっているのでは?と思うのですが、
>なかなかお名前とお顔とを一致させる術がなく、ご挨拶できずにおります。
http://www.kitashirakawa.jp/yama/log/eid2538.html 自習会でのワンシーンです。左の先生が浅野先生です。右の先生が上尾先生です。
少しはヒントになるかと思いまして。
今、HPをリニューアルしていますが、許可を得た先生のお顔とプロフィールをどこかで紹介できてもよいかもしれません。
とりいそぎお伝えまで。