『しぜん』(クラスだより 2004.6の記録)

『山びこ通信』2004年6月号のより、各記事をご紹介します。(以下転載)

*** SENSE OF WONDER !
『しぜん』だより  (担当:山下育子、山下太郎)

4月6日に “お山の春めぐり” というテーマでスタートした<しぜんクラス>では、ただ今~自然からの恵みの春~を毎回楽しんでいるところです。メンバーの小学生たちは、勿論、皆自然が大好きで自然のメガネ!を持っているようです。学校の帰り道で、家の周辺で、また、お山を登る階段で、何か面白そうものを見つけては、持ってきて机に並べて話をしてくれます。ヨモギだったり、カラスノエンドウだったり、校庭のカモジグサだったり・・・。

この、ごく「身近な生き物(身近な自然)に気づく」ことこそ、自然の美しさ、大きさを感じ取る感覚の原点ではないかと思います。

  • 道端にタンポポが咲いているのに気づく
  • ツバメが飛び回っているのに気づく
  • 小さなオオイヌノフグリの青い花に気づく

生き物に『気づく』目と心を持って、自然から生き生きとした美しさ、不思議を感じ取れる心を子どものうちにしっかり宿らせておきたいものです。将来、家庭生活や仕事に於いても、生きる喜び、希望を失うことなく、幼い頃に自分とともにあった自然に、きっと支えられ勇気づけられることがあるでしょう。

週一度の<自然クラス>では、心の柔らかな子どもたちが、仲間と自然に触れるひと時を大切にしています。
一方、私たち大人においても、お買い物の途中で、または親子でお散歩をしながら、このよい季節をささやかな~道草の自然観察~をして楽しみたいものです。

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“竹の子を掘ろう!”──ある4月のクラス

お山の竹やぶは、今年もたくさんの“竹の子”が顔をのぞかせました。
竹の種類は、孟宗竹(モウソウチク)<イネ科>中国原産。幹は太く直径は8~20㎝、高さ10~12m。
はじめにクイズをしました。

クイズその1  竹は木かな? 草かな?

クイズその2  竹の高さはどのくらいかな?

クイズその3  ササの高さはどのくらいかな?

① 道具・・・・・・・ *スコップ、シャベル、ぐんて、たけのこ袋

② 掘り方のコツ・・・ *足のうらの、感覚で竹の子をみつける。

*足でふんで、ふくらみのあるところや、地面がもこっと膨らんでいる
ところに竹の子がある。

「うわぁ、いっぱい竹の子出てるー」

「どれにしようかなぁー」

「かたーい!」

「幼虫(カブト虫)が出てきたー!」

──竹やぶに賑やかな声が響きます。あちらこちらに、頭を出した竹の子がいっぱい見えています。

ご近所の方も出てこられ、竹の子相手に奮闘している小学生たちに、「しっかり、しっかり!」とエールを送ってくださいました。

皆の目は輝き、ただちに自分のスコップを土にさし込み、グイッと掘り上げる感覚、音、匂いを何回も体感しました。

この日は、子どもたちの土の割れ目と竹の子の頭を発見するするどい眼差し、気迫、沸き上がるエネルギーが沢山の収穫と結びつき、大きくふくらんだ袋を手にお山を下りていく姿も勇ましく、子どもたちの逞しさが嬉しい一日となりました。自ら掘り上げたお土産の竹の子のお味はきっと美味しかったことでしょう!

 (山下育子)

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