『中学英語』(1~2年)・『高校英語』・『英語講読』(自由論・ハリーポッター)(クラスだより)

今号の山びこ通信(2013/11/1)の記事を一つずつご紹介しています。(以下転載)

『中学英語1~2年』/『高校英語』/『英語講読』(自由論・ハリーポッター)』 (担当:浅野直樹)

英語を学ぶといえば文法だと思われる方が多いでしょう。しかし一冊の本を読むとなると、最低限の文法を理解しているのは前提として、細かな文法よりもそこで用いられている語をどれだけ知っているかということのほうが大きな要素を占めているように感じます。

J.S.ミル『自由論』から例を出すと、sufferが「苦しむ」ではなく「許す」、observeが「観察する」ではなく「遵守する」、assumeが「想定する」というよりは「(誤っていることを)思い込む」という意味で用いられていました。厳密に読むためにはどの意味なのかということを考える必要が出てきますが、そもそもいくつかの意味があるということを知らないと、なまじ意味が通ってしまうことがあるだけに誤読の元となります。

『ハリー・ポッター』ではイギリス版とアメリカ版、そして日本版の違いから単語に注目することが何度かありました。その中でもsherbet lemonが衝撃的でした。何も考えずに氷菓子を想像していたのですが、アメリカ版ではlemon drops、日本版ではレモンキャンディーとなっていました。氷菓子はイギリス英語でsorbetを用いるのでsherbetで氷菓子を表すことはないのです。この他にも、医務室がイギリス版ではdormitory、アメリカ版ではinfirmaryとなっているなど、いくつかの違いに気づきました。

中学や高校での英語に関しても単語の重要性を強調したいです。例えばto不定詞の名詞的用法と動名詞との使い分けについては、未来志向の場合はto不定詞、過去志向の場合は動名詞という説明が一般的ですが、そもそも動詞の意味がわからなければ判断のしようがありません。

decideが「決める」だとわかればto不定詞だと想像がつきますし、admitが「認める」と知っていれば動名詞だと推測できます。regretが「後悔する」の意味で用いられるなら動名詞、「残念ながら~する」の意味で用いられるならto不定詞だという使い分けも同様です。中学2年生の教科書ではfollow the family’s rulesという表現が登場しましたが、このfollowは「従う、後に続く」という意味であり、厳密に言うと「弁護する」という意味ではありません。日本語の「フォローする」という表現とは若干のずれがあるので注意が必要です。

正しい英語の使い方を意識したいです。

(浅野直樹)