『かず2年』『中学数学』『高校数学』(クラスだより)

今号の山びこ通信(2013/11/1)の記事を一つずつご紹介しています。(以下転載)

『かず2年』『中学数学』『高校数学』(担当:浅野直樹)

「繰り返し」の重要性に改めて気づかされました。

かず2年クラスでは通称「かいじゅうさん」(かいじゅうが配置されたマス以外のすべてのマスを通りスタートからゴールまで一本の道を作るパズルで、巡回パズルと呼ばれます)を何度となくしています。最初のうちは簡単な問題を勘に頼って解くばかりでしたが、今では理詰めである程度の道を作ってから試行錯誤をして完成させるというやり方に変わってきています。ある問題を一度解いてから数週間空けてまた解くといった具合に、まったく同じ問題に何度も挑戦しています。初回の挑戦ではこちらからかなりのヒントを出したけれども、3回目、4回目と繰り返すうちに、自分でできる領域が増え、ついには完全に自力で解けたということもありました。

中学数学や高校数学のクラスでも似たような現象が見られました。習いたての頃は応用問題がわからなかったけれども何度かの復習を経た今では簡単に感じるといった感想がある生徒から聞かれましたし、この範囲の学習を3回も4回もやっているから今回はさすがに理解できるといった感想が別の生徒から聞かれました。

しかし闇雲に繰り返せばよいという話ではありません。単調な作業を繰り返すのは苦痛であり、効率的でもありません。根拠のない経験則ではありますが、パズルにせよ数学にせよ、一連のまとまりに挑戦することを繰り返し、少しずつできることを増やしていくというのが最も効果的であるように思われます。私がルービックキューブの練習をしていたときの例を出しますと、まずは一面とそのまわりをそろえられるようになり、次に一面とそのまわりをそろえた上で他の角をそろえることを目指し、そして最後に全部をそろえることに向かいました。この練習方法では一面とそのまわりをそろえるという最初の手順は何十回と行うことになり、一見非効率的ですが、その度ごとに達成感が得られてかつ土台を固めることにもなるので、結局は近道になると考えることができます。

繰り返しの練習をする背後には、その問題やパズルを解きたい、あるいは解けなくて悔しいという感情があります。その点に関して、学校のテストや模試でこの分野の問題ができなくて悔しかったので家で繰り返し練習した、といった声が複数の生徒から聞かれたことをここに報告できることをうれしく思います。

(浅野直樹)