『ことば(2年)』『調査研究入門』(クラスだより)

今号の山びこ通信(2013/11/1)の記事を一つずつご紹介しています。(以下転載)

『ことば(2年)』『調査研究入門』(担当:浅野直樹)

辞書と仲良くなることが言葉を思い通りに使うための大きな一歩です。知らない語を調べるのは当然として、だいたいの意味はわかるけれどもしっくりこないというときに辞書を引くと思わぬ発見があったりします。

そのような辞書の使い方を調査研究入門のクラスで発表に向けた原稿をまとめているときにしました。先行研究に依拠しつつ、従来型の小説は現実を、ライトノベルは虚構を、ケータイ小説は理想をそれぞれ描写したものだと論じる予定なので、「現実」、「虚構」、「理想」という語を辞書で引くことにしました。すると、「現実」の対義語は何かという疑問が生じました。「虚構」も「理想」も「現実」の対義語だと言ってよいでしょう。また、この三者に対して、「客観」、「傍観」、「主観」を対応させようとしています。「客観」と「主観」は対義語ですが、そこに「傍観」が入っているのがおもしろいです。

このように自信がないときや気になったときには面倒がらず辞書を引いてみようと思えることが大切です。そう思えるためには辞書に対してよいイメージを持っていることが前提になります。小2ことばクラスでは生徒たちが辞書を好きになってきてくれているように感じます。というのも、クロスワードをしているときに辞書を手渡して使ってみることを勧めると、最初は半信半疑だったのが、調べたい語を発見するにつれて辞書の偉大さを知るようになったからです。小さな国語辞典よりも大きな広辞苑のほうが好きだと言う生徒まで現れました。私の使っていた電子辞書にも興味津々で、それを使うためにローマ字入力の一覧表を作ってくれと言われたほどでした。

辞書を活用すれば大きな力になります。そのためのお手伝いができればと思っております。

(浅野直樹)