空を描く課題の2回目。
前回と大きく異なるのは、「透明水彩絵の具」に挑戦してもらうことです。
これまで使用してきた「不透明水彩」とはちがい、重ねて塗っても下の色が透けて見え、混ざり合った色に見えます。
不透明水彩と、透明水彩の色をそれぞれ重ねて塗った見本を見てもらい、色が重なった部分の違いを確かめてもらいました。
そして、「にじみ」や「ぼかし」が生まれる様子を簡単に示し、いつもよりたっぷりの水で溶いてみることを勧めました。
M君は、前回と同様、ジャングルジムの上です。
そして今回は、K君も一緒です。
空に近づいた二人。
制作の様子を、ちょっと上からのぞいてみましょう。
K君は、左手に平筆、右手に刷毛(はけ)の立ち姿勢。
最後は、上塗りした夕日のだいだい色をガーゼでぬぐって完成。
「しまった、濃く塗りすぎた…」と、一度は嘆きましたが、大丈夫。
絵も、どんどん動かすことができます。空が動いていくようにです。
M君は、自作の「スポンジ筆」を用い、ポンポンポン…とたたくタッチで地平線へと広がる遠い空を描き、頭上に広がる手前の空は、水彩筆のタッチで描き分けたようです。
また、両者の色にも変化をつけています。
空の深みや、遠近感を感じながら、表現の工夫を試みている証拠です。
そして、もくもくと連なる雲を描き、最後は濃いめのグレーで立体感をあらわしました。
この日の空。K君とM君があらわしてくれた通りのどんよりとした帯状の雲が、空一面に連なり、渡っていきました。
Rちゃんも、両手に平筆と刷毛を持ち、使い分けています。
丁度よい腰かけを見つけましたね。確かに、ここからは空を広く見上げることができます。
(前回お休みだったので、これが一回目の空。)
刷毛を水平のタッチで、リズミカルに使います。
Rちゃん作品。雲の部分は、一度塗った絵の具を取り除き、紙の白を生かして描かれています。
水彩ならではの表現方法です。
同じ方向に勢いよく走る刷毛跡が、この日びゅんびゅんと流れていった雲の早さをあらわしているかのようです。(右写真は部分拡大)
Iちゃんは、前回と同様、ブランコにて制作します。
今回も夕日の絵に挑んだのは、きっと前回夕日を描く中で、何か手応えを感じたからでしょう。
また、四切りサイズの水彩紙(前回と比べて倍のサイズ)を選んでくれたのも、自信の表れのように感じられました。
前回、肩を並べていたCちゃんがお休みで、ちょっぴり寂しさもあったかもしれませんが、一人黙々と課題に向き合いました。
完成したIちゃん作品。前作にも増して堂々たる夕焼けです。
どんより感と明るさの入り混じったこの日の空模様も、しっかりと掴んでいます。
そして、いつも通りの温かみのある、彼女の中から湧き出てくる熱がそのままあらわれたような絵です。
何を選び、どう描くかというプロセスも、出来上がった絵も、やはり人を映すのだなあ・・・。
クラスが終わるたびにいつも感じることを、この日も再認識することとなりました。
そして、どの姿も素敵だ・・・!と。
また、いつか、空を描きましょう!
(「山びこ通信」2009秋学期号. p.8~10にも同課題の記事がございます。是非ご覧下さい。
http://www.kitashirakawa.jp/ryoma/files/2009_11.pdf)
空というテーマがいいですね。空は空(から)っぽなものではなく、いっぱいテーマがつまっているのですね。画像をたくさん見せていただけて、ありがたく思います。