今号の山びこ通信(2013/11/1)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)
『ラテン語初級文法』 『ラテン語初級講読(A・B・C)』 (担当:山下大吾)
今学期は「初級文法」クラスが、お一方の受講生、Aさんを迎えて開講されました。教科書として岩波書店刊『ラテン語初歩 改訂版』を用い、来学期を加え全24回で終える予定です。今のところ順調に過程が進んでおり、もうすぐラテン語学習での第一関門とも言える第三変化名詞に入ります。
講読クラスは3クラスです。AクラスとCクラスでは前学期に引き続き、それぞれキケローの『老年について』と『スキーピオーの夢』を読み進めております。Bクラスでは今学期から、アリストテレースの『詩学』と並んで詩的創作論の模範として絶えず顧みられている、ホラーティウスの『詩論』に新たに取り組んでおります。
Aクラスには、開講以来受講されているAさんとHさんに加え、今学期は新たに大学生であるTさんが参加されました。フレッシュなメンバーが加わり、文字通り若返った雰囲気の中で読む老年論の古典。キケローの記す、御年84歳の大カトーの若々しさ、雄々しさが、より一層際立って浮かび上がってくるように感じられます。
Cクラスは今のところCiさんとのマンツーマンの授業です。天体の動きから奏でられる、小スキーピオーの耳を満たす音楽を巡る場面の叙述は、優に一篇の詩に等しい内容と質とを備えています。同作品を読了次第、引き続きキケローの『義務について』を講読の予定です。
BクラスはCaさんとMさんお二方との授業です。初級クラスでは初となる韻文作品となりましたが、Mさんが韻律に興味を抱かれていることもあり、これまで特に問題なく読み進められております。またお二方ともギリシア語に通じているため話題も豊富、楽しみは尽きません。数ある古典の中でも格言の宝庫とも評すべきホラーティウスの『詩論』。そのテクストを、普段見慣れた一輪挿しやトルソーの形ではなく、幅と流れのある本来の状態で読むというまたとない時間が毎週展開されております。
(山下大吾)