1213 漢文入門

第十四回
今回は『漢文法要説』第三章第三節「仮定条件の形式」を解説し、杜甫の詩から「梅雨」の一首を読んで、対句や押韻、詩全体の構成について説明しました。
テキストには仇兆鰲『杜詩詳註』(中華書局)を用いています。現在の四川省にある成都で暮らしていた時期の詩をいくつか読んでいきたいと思います。
今回は受講されているIさんが、梅雨をテーマにした和歌・俳句を十八首集めて分類し、比較対照の参考資料を提供してくださいました。風景描写では杜甫の詩の方が広がりがあり、日本の詩歌には小さな風景を詠ったものが多い、とのご指摘は、日中の山水画を比較する際にも重要なポイントになりそうです。