福西です。
この日は、去年ことば5年(高木先生)のクラスでみんなで書いたという、例の主人公マウントのお話を、二人に朗読してもらいました。
原稿用紙を1枚ずつ、かわりばんこに読んでもらったのですが、たちまち聞いている私もお話の中に引き込まれて、「次はどういう展開が待っているのか」と、ワクワクしました。気がつくとそれだけであっという間に1時間がたっていました。
表現の面白さ、見事さだけでなく、それぞれの書き手の思いが、~君、~ちゃんならさもありなんというように、実体の書き手を髣髴とさせるようにちりばめられていて、これは「宝物」だと直感しました。
また、読んでいるうちに、書いていた頃の情景も思い出しては、「これはね・・・」とエピソードを交えながら語ってくれる様子に、しっかりとそれが心の底に残っているのだなと感じました。
でも、書いて形にするということは、楽しいだけでなく、しんどいことでもあります。
読み終わってから、私がふと、「これだけ大きな作品を書いたあとだと、かえって次回作を大変に思うかもしれないなあ」と言うと、Kちゃんが、控えめな、でも物怖じしない口調で、
「でも書いたほうがいいよ、だって、書くと残るから」
と、そう自分で言っていたことが、印象的でした。その言葉を耳にしたY君も、
「そっか・・・」
と、後押しを受けている様子でした。
もし、二人が前作にかけた苦労を今でも快いように憶えていて、「よし、また」と思ってくれるのだとしたら、それをそっと応援したいと思います。