第四回勉強会

第四回勉強会のご案内

今年度第四回目の勉強会を企画しました。

日時:3月20日(土)9:00~11:00 

対象:小学生(1年~6年)※会員以外のご参加も歓迎します。
場所:北白川幼稚園第三園舎

※ 小学生のための自学自習の場です。

第三回目の勉強会について、担当された先生から次のメッセージを頂戴しました。

山の学校小学生クラス第三回「勉強会」のご報告

 1月30日(土)に第三回の「勉強会」を開催しました。参加した生徒は全員で14名でした(先生は、福西、梁川、山下の三先生が参加されました)。

この日の取り組みについて、担当の先生より以下のメッセージをお預かりしています。勉強会の現場からの報告として、ご一読いただければ幸いです。

福西先生より:

持って来たそれぞれの課題を、こちらが言うが早いか、机の上に広げる生徒たち。前の晩、勉強会に何を持っていこうか楽しみにしながら、きっとそれを選んでくれたことでしょう。計算ドリルもあれば、漢字練習帳もあり、両方している生徒もいました。また買ってもらったばかりのパズルの問題集や、お母さんにコピーして作ってもらったプリントなど実に様々です。

1年生のSちゃんの漢字ノートには、ことばのクラスでしている『祇園精舎』の文章がありました。しかも二回繰り返してありました。「すごい、書き写したの?」と聞くと、首を横に振って、「今さっき、何も見ずに書いた」というのでした。昨日の授業で半分まで言えるようになったばかりだったので、これには驚かされました。

5年生のM君はというと、あらかじめノートを一冊、計算用紙に使うために持ってきていました。そして難しい百分率の問題を、そのノートで粘り強く筆算しながら解いていました。用意周到で頼もしいと感じました。

およそこの日は、こちらが何かを設定して取り組んでもらう時とは違う次元で、それぞれが充実した時間をすごしているように感じました。私がもし小学生に戻ったら、これほど綿密に取り組めるだろうか…と思うぐらい、彼らの取り組む姿勢には感心します。中には自分の中で湧き起こる頑張りを期待して、毎回参加してくれる生徒もいます。次回もぜひ来てほしいと思います。

さて、勉強会は当初「もし自分がつまずいたら上の学年に聞ける、また同じようなことを下の学年でしていたらやさしく教えてあげる」というモチーフでスタートしましたが、そのような教え合いが、会を重ねるごとにだんだんと自分の楽しみからは区別され、必要最小限に絞られてきたように感じました。というのは、下の学年が以前にも増して長時間自分で考え、その間、上の学年も自身の課題を黙々と解いている、という様子が多く見られるようになってきたのでした。

前回の勉強会ではまだ、「黙々と=寂しい」と受け取る生徒がいたり、一時間が経つ頃にはすることのなくなってしまった生徒が現れ出して、フォローに回る必要がありました。そこで今回も、後半には「上の学年が下の学年に問題を作ってあげる」という展開を用意していたのですが、実は今回の場合は、そうした配慮を必要とするよりも、二時間通して集中する生徒の方がむしろ増えてきたように感じられたのでした。「自分でできることは自分でする。でも必要な時は互いに教え合える」という空気が、だんだんと醸成されつつあるのかもしれません。

さて、土曜日の午前中を勉強に取り組んだ彼らは、午後をどのように過ごしたのでしょうか。きっと勉強のことなどはすっかり忘れて、遊びに没頭できたのではないでしょうか。「よく学び、よく遊べ」と言いますが、そのメリハリをこれからも応援し続けたいと思っています。

梁川先生より:

全体的な感想として、高学年、低学年を問わず、各参加者が、持参した課題に非常に集中して取り組んでいたことが、最も印象的でした。疲れてきて、集中力が途切れた場合でも、辺りを見渡すと真剣に取り組む先輩や、お友達の姿があり、「よし、もうちょっとがんばろう」という意識が生まれていることが、はっきりと感じられました。

また、「教える」「見てもらえる」という意識については、最初の方は、両者とも遠慮があるようなので、「今日は~先生が、分からないところを教えてくれるから遠慮なく声をかけてね。」「~先生、今日は~君のことを宜しくね。」というように、向かい合った低学年、高学年の両者に声をかけました。そして、ひとたび壁を越えると、互いに安心感や責任感が芽生え、グループごとに絆が生まれていく様子が見られました。

監督を担当した席の、Y君(3年)は、「今日はここまでやる!」と、ドリルの内容を私に示してくれました。そして、時々私に質問をしながら、終わりの時間が来る間際までかけて、とうとう目標を成し遂げました。その間も、向かい側で同じく根気よくドリルを進めていたIちゃん(1年)が、算数の引き算や文章題で壁にぶつかったときには、度々隣まで行って、解き方を指導してくれました。

また、もう一つの席は、S君(1年)の向かい側に、Kちゃん(2年)とSちゃん(4年)が座る形でしたが、3人とも非常に集中して、何ページものドリルをこなすことができました。S君が少し難しい、計算式の穴埋めや、引き算の問題にさしかかったとき、Kちゃんが一問一問丁寧に、書き込みを入れながら、解法の工夫を教えてくれました。そして、隣で勢いよくドリルを進めていたSちゃんも、時々その様子を見て、Kちゃんと一緒になって、指導にあたってくれました。S君も、二人の先輩の話に真剣に耳を傾け、勉強会の最後の方まで途切れることなく、課題に取り組み続けました。

今回、勉強会の監督を初めて務めさせて頂きましたが、共に「自学自習」という目標を持ち、高め合う参加者の姿に深い感動を覚えました。不特定多数が集まるような自習室が持つ、ただのピリピリとした緊張感とは異なり、会場を包む「励ましあい」「支えあい」の空気が、心強さや学びの推進力を生み出している、それが山の学校の勉強会なのだと思います。また、監督の機会に恵まれた際には、彼らの学びあいを全力でサポートさせて頂きたいです。

追記:「教える」という行為がうまく機能せず、時には教え方に戸惑ったり、教えられる方も、理解が出来ないという場面がありました。その時は、「こんな風に教えてみてはどうか」という「教え方」についての助け舟を出したり、「なるほど。つまり、今、教えてくれたのは、こういうことなんだね。」と、両者に聞こえるように、若干言い換えてフォローしたりする必要がありました。また、低学年で、問題につまづく場面が多い時は、様子を見て、所々、直接指導する必要もあるのでは・・・と感じました。

山下先生より:

 1月30日の午前9時、勉強会が始まると、子どもたちは口々に「今日はこれすんねん」と言いながら、大事そうに持ってきた自分のドリルやプリントを広げてすぐに取り組み始めました。私の担当した2テーブル、4人の女の子たちは一時間近く、その目をドリルやプリントから離すことはありませんでした。

しばらくして1年生のKちゃんが私に「どういう意味かわからへん・・・」と言ってきました。最初に「○○ちゃん、今日は分からなかったらお姉さんに教えてもらおうね。◎◎ちゃんは、教えてあげてね。」と両テーブルに言っていたものの少し遠慮があったようです。「じゃあお姉さんに教えてもらおうか」と促し、向かいの2年生のNちゃんに教えてもらうことにしました。さすが2年生、「これはな・・・」とすぐに1年生の算数の解き方を示してあげました。

一方、何時間でも机に向かっていられそうな1年生のMちゃんに、同じく黙々と、算数の問題集に向かっていた3年生のMちゃんが覆い被さるようにして自分の作った問題を教えている姿もまた、時を忘れて見つめてしまうほど心に残るものでした。

真剣にドリルやプリントに向かう子どもたちのまなざしは、その日の冬晴れの空のように澄んでいました。

「山の学校」からのご報告は以上です。

参加した生徒の皆さんのお声もぜひお聞かせ頂きたいと思います。形式等は自由です。一言でも結構ですので、感想文を書いて提出してください(締め切りは設けませんが、早いほうがありがたいです)。今産声を上げたばかりの「勉強会」ですが、私たちは「真摯に学ぶ場」の伝統を未来に向けて継承していきたいと願っています。

では、今後とも宜しくお願い申し上げます。