個人的に夏休み中はハリー・ポッターを読むことが全くなかった状態でしたが、この日のために読み始めると引き込まれ、かなり先まで読んでしまいました。
11章に少し入ったところから再開です。
コリンが襲われたという知らせはすぐに学校中に広まり、生徒たちはお守りを取引したりするようになりました。ネヴィルは特にたくさん買い込みました。他の生徒から純血だから襲われないだろうと指摘されて彼は”They went for Filch first”と答えました。この部分がよくわからなかったのですが、go for ~に「~を襲う」という意味があることに気づき、theyは襲撃をしている人を指すのだと理解できました。
それでもマクゴナガル先生はいつも通りクリスマスを学校で過ごす人のリストを作り、ハリーたち3人はそこに名前を連ねました。マルフォイも学校に残るようで、ポリジュース薬で変身して”worm a confession out of him”(彼から告白を引き出す)のにちょうどよいと感じられました。wormには虫が這い出るように狭いところから何かを引き出すという意味があります。
しかしポリジュース薬を完成させるためにはスネイプ先生の倉庫に侵入して材料を手に入れなければなりません。ハーマイオニーはきっぱりと自分がやると言い、ハリーとロンはそのために授業中に騒ぎを起こすという役目を引き受けます。そして実際にハリーが花火で大騒ぎを起こし、その隙にハーマイオニーが材料を手に入れました。その騒ぎはSwelling Solution(膨張液)によって起こり、スネイプ先生はDeflating Draught(収縮剤)で収めました。SSやDDという音になるように薬を表す語がうまく使い分けられていることに驚きました。
ハリーは自分が騒ぎを起こしたことをスネイプ先生は気づいていたのではないかと恐れ、ロンは大丈夫だと安心させてくれます。それを受けてハリーはこう言いました。
Knowing Snape, something foul
これは分詞構文で、”As I know Snape, I think he can do something foul.”とでも補い、「僕はスネイプのことを知っているから、彼は卑劣なことをすることができると思うよ」と解釈すれば意味が通ります。「スネイプのことだから卑劣なことだよ」と曖昧に取るほうが原文に忠実だとも言えますが。
一週間後に決闘クラブのお知らせが貼り出され、そこに生徒たちが集まります。ロンは興味津々で、ハリーとハーマイオニーを誘って決闘クラブの会場に行きます。フリットウィック先生が担当するのではないかとハーマイオニーが言い、ハリーが”As long as it’s not –”と言いかけたところでロックハート先生が担当するのだとわかりました。As long as it’s not –の後をどう補うかでニュアンスが変わります。具体的にはフリットウィックかロックハートのどちらかです。「フリットウィック先生じゃなかったとしたら(〇〇先生だよ)」か「ロックハートじゃなかったとしたら(誰でもいいよ)」かということです。
ロックハート先生はスネイプ先生を助手として実演をしようとします。そしてこう言います。
Now, I don’t want any of you youngsters to worry – you’ll still have your Potions master when I’m through with him, never fear!
このPotions masterがスネイプ先生なのか自分のことを言っているのかどちらだろうかと議論になりました。前者であれば「スネイプ先生と手合わせしても(再起不能にしたりしないから)魔法薬の先生はまだいる」ということになりますし、後者であれば「スネイプ先生をやっつけてしまったとしても(僕が魔法薬を教えることができるので)魔法薬の先生はまだいる」ということになります。私は以前にマンドレイクから薬を作ってミセスノリスを蘇らせるという話をしていたときにロックハート先生がスネイプ先生を差し置いてその薬を作ると言っていた場面があったので後者だと思っていましたが、既存の日本語訳は前者のように読めました。
大方の予想通り、実演ではスネイプ先生がロックハート先生に勝ちました。ロックハート先生はいつもの調子で負け惜しみを言いますが、スネイプ先生の表情を見て、先に進めることにします。
生徒たちはそれぞれペアになりますが、スネイプ先生はハリーをマルフォイと組ませました。マルフォイはフライングして魔法をかけ、ハリーはどうにかそれに耐えて応酬し、マルフォイも負けずに反撃するといった様子でした。
この決闘中にはいろいろな魔法が飛び交います。Expelliarmus, Rictusempra, Tarantallegra, Finite Incantatemなどです。どれもラテン語の活用っぽいです。これらは恐らく名詞なのでしょうが、ラテン語では名詞も活用します。詳しくは以下をご覧ください。
スネイプ先生が会場を落ち着かせたところで今回は時間になりました。