福西です。
以前のことになりますが、「論理パズル」の生徒たちの解答を載せておきます。
問題 『4人のローマ人』
ローマのある丘に、キケロー、カエサル、ブルートゥス、アントニウスの屋敷が以下のような位置関係で建っています。
1∥3 北
=== ↑
2∥4
さて、そこの住人たちは妙なくせがあって、真北の家についてはうそをつき、それ以外なら正直に言います。そして以下のように述べています。
ブルートゥス:「カエサルの屋敷は2だ」
アントニウス:「キケローの屋敷は3だ」
この発言から、だれがどの屋敷に住んでいると分かるでしょうか?
Ka.君の解答
A
まず、「ブ」が「カ」はやしき2と述べている。2と4のやしきはうそを言われる事はない。つまり「カ」は「ブ」が言ったとおり、2のやしきに住んでいる。
「ア」が4にすんでいた場合は「キ」が3にすめない。だから1にすんでいるのは「キ」。
その時、残っているやしきは、3。残っている人は、「ブ」。つまり3のやしきに住んでいるのは、「ブ」になる。これでむじゅんはない。
しかしこれだけが答えとはかぎらないからちがう考え方でやってみる。
B
前にもやったように、「カ」は2のやしきに住んでいる。「ア」が3に住んでいたら「キ」も3にすんでいる事になるから、「ア」は1で「キ」は3になり、「ブ」は4になりむじゅんはない。
C
「ア」 が全ての所に行った場合、Aの答えとBの答えがあることが分かった。
A A(答). 1=「キ」 2=「カ」 3=「ブ」 4=「ア」
B A(答). 1=「ア」 2=「カ」 3=「キ」 4=「ブ」
Yu.君の解答
まず、キケローを「キ」、カエサルを「カ」、ブルートゥスを「ブ」、アントニウスを「ア」とする。
まず、「ブ」の発言は、「ブ」がどこから言っていたとしても、真北方向ではないので事実になるので「カ」は2になる。
次に「ア」の発言が事実ならば「ア」は1に住んでいる。すると、「キ」は3になり、「ブ」は4になり成立する。
次にもう一つの方法がないか確かめる。
「ア」の発言がうそだった場合、2には、「カ」がいるので4にしか「ア」は住めない。(うそをつくためには南の家に住まなければならない。)
すると、うそをつくためには「キ」は1しか住めない。残った3が「ブ」になり、成立する。
まとめ
① 1「ア」 2「カ」 3「キ」 4「ブ」
② 1「キ」 2「カ」 3「ブ」 4「ア」
【講評】
まず驚いたことに、出題者の私が意図していなかったポイントに二人とも気が付いてくれました。それは、ブルートゥスの発言「カエサルの屋敷は2だ」です。
実際の「屋敷2が南にあること」と、「真北の家についてはうそをつき、それ以外の場合は正直」という題意から分析して、ブルートゥスは必ず正直者であることが判明します。ということは、その発言の内容である(そして真実である)「カエサルの屋敷は2だ」から、カエサルは2に住んでいることが分かります。
それを手掛かりにして、あとは残りの3人の組み合わせついて、2通りの可能性を探し当ててくれました。Ka.君の「しかしこれだけが答えとはかぎらない」というセリフは、なかなかカッコいいですね(^^) またYu.君の「成立する」という決め台詞もクールです。この時の達成感をどうか大事にしてください。
このように「論理パズル」は、解答者が大人であろうと子供であろうと関係なく、「筋道が通っているかどうか」がすべてです。それはある意味、万国共通語だろうと思います。