かず6年(0612)

福西です。さて、今回は5/29にしたことの続きです。5年生の頃に習った「体積」のおさらいも兼ねて、今度は「立方体の1辺」について考えてみました。

正方形の時は、「√2そのもの」を作り出すということを考えました。そこでは対角線を使って、理屈の上では誤差のない答が得られます。

今回は、趣きを変え、厳密な答ではなく、あえて答を「近似して求める」ことに挑戦してみました。

じゃじゃん。電卓の出番です。

takujyo-

立方体は縦・横・高さどれも同じ長さであり、体積はそれを全部かけたもの、つまり一辺の長さを3回かけて表せます。それができるだけ2に近づくような、1辺の長さを(電卓を使ってもよいので)求めよう、という試みです。

(なぜ面積で考えなかったのか、というのは、電卓に「√」という便利なボタンがあるのを、K君がすでに知っていたので(笑)、それを使われるのを回避するためです^^)

一辺が1の場合、体積は

1×1×1=1

ですが、一辺が2になると、

2×2×2=8

と、すぐに2を飛び越してしまいます。

ということは、1と2の間に、正解が隠されていることになります。それがいくらか?というのを、次におおよその「あたり」をつけて考えてみます。1.2ではどうでしょうか。

1.2×1.2×1.2=1.728

まだ少し2には足りません。では、1.3では?

1.3×1.3×1.3=2.197

おっと、少し飛び越えてしまいました。

ということは、1.2と1.3の間に真値があることになります。

さて、次が問題です。次はおそらく桁を一つ増やさなければなりません。その新しい桁(小数第2位)に入る数には、どのような「あたり」を付ければよいでしょうか?

もちろん「これが最適」というような解法は、すぐに見つかって言えるものではありません。逆に言えば、各自「これが早いぞ」というコツを探してもらうのが、今回の頭の使いどころです。

オーソドックスには1.21から徐々に0.01刻みで増やしていくことが考えられます。そのうちに値の増え方に何か法則が見つかるかもしれません。あるいはもっと刻みを大きくしてもよいでしょう。それとも、1.25と、大胆に真ん中の数字で割っていき、オーバーしたらさらに半分で割る(1.5→1.225→1.2125・・・)、というような手も考えられます。(しかしそれは内緒です^^)

こうして、「1.9999・・・」ないし、「2.000・・・」と、

いくつ9(や0)が並ぶか?

ということに挑戦してもらいました。

この問いが、6年生にはヒットして、K君もY君も、「まだやってみたい!」「まだもうちょっと!」と、勢いが止まらずに計算をしてくれました(^^)。

結局、普通の電卓ではすぐに桁が埋まってしまいました。そこで、より大きな電卓に、パソコンのアクセサリーについているそれを使いました。それでいつ飽きるかな? と思って見ていたのですが、いやはや、さすが6年生のねばり強さと純粋さです。いつまでたっても手を休めることをせずに、あっという間に1時間がすぎてしまいました。

ちなみに電卓を使うことには、一種手抜きのような印象があるかもしれませんが、真実はむしろ逆で、使い込むことですぐにその限界を知ることになります。(やってみればすぐに気付きます)。なので、最後はやっぱり人間の頭と道具との使い分けを意識できることが、より高度なのだと思います。(そこが指先仕事との違いです)。

たとえば、10桁ですぐにEが出てしまう電卓を、答が11桁、12桁になるかけ算でも使いこなすには、どうしたらいいでしょうか? 私なら、最後の1、2桁のところだけ、手で計算します。これは九九をするだけなので、すごく簡単なことです。そして電卓からは、Eで出てきた数をもらいます。「上から数えて」9~10桁までは、電卓で計算で来ていることになるからです。そして最後の1、2桁だけは、未表示、または誤差のある数なので、そこをさっきの手計算と照らし合わせて、修正します。これで11桁、12桁の計算ができたことになります。

こんなふうにして、まだまだ色々と遊ぶ余地が残されています。

 

追伸

Y君は家に帰ってからも、とうとう「寝なさい」とストップがかかるまで、ずっと計算を続けていたとのことでした。その成果を次の週に見せてもらいましたが、なんと、20桁まで9が続いていました。誰に言われてするのでもなく、自分自身によって突き動かされるところの、あくなき探究心! そのような姿勢こそ、まさに「研究者の卵」と言ってもいいのではないでしょうか。脱帽しました。

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(次の週に確認してK君にも見せてあげているところ。「ドキドキするなあ!」とY君)

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何ページにも及ぶ記録の束の、最後のページに記された値。写真では1ページしか映ってませんが、ぜひとも、この結果の部分だけでなく、「束の方」をこそ、大事に残しておいてください

さて、Y君が(近似解として)求めた、体積2になる立方体の1辺の長さを、22桁まで求めてくれました。それは以下の通り。

「1.259921049894873164767」。

そして、これを3回かけると、

1.999999999999999999998997・・・

となります。確かに9が20個も並んでいます。

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(1/0.1=10であるように、桁が1つ増えるごとに、10倍、100倍、1000倍となっていく何か。それは「情熱」と呼べるものでしょうか)

ちなみにY君は、この1.259921049894873164767を、暗記するまでに至っていました。つまり彼は、2の立方根を22桁まで知っていることになります。(もちろん最初から覚えようと意図したわけではなくて、何回も入力しているうちに、とうとう頭に入ってしまったのでしょう。2の立方根なんて・・・と、誰もがそんなことを真似しようなどと思わないところに、あにはからんや、その価値があるのだと思います)。それも熱意ゆえのことだと感じました。

 

(お詫び)

最初、22桁というのを、私はてっきり9の数のことだと勘違いしていました。それは2の立方根の桁数のことだったのですね。Y君、すみませんでした。