0612 英語講読(ドナルド・キーン『日本文学の手引』)

英文を読むのに時間がかかるという悩みが先週に出されましたが、もうかなりスムーズに読めるようになってきています。

 

大きく詰まったのは次の箇所くらいでした。

 

Such unity as these books possessed came from the fact that all the poems were credited to one man, or to one Emperor’s court, but no attempt was made to connect the amorous adventure which gave rise to one verse with the adventure on the following page.

 

butの前後で大きく切れます。前半の動詞はcameであり、その手前までが主語です。the fact that…は「~という事実」というようにthatを同格で取ることも含めて訳すと、「これらの本が持つようなそのような統一は、すべての詩が一人の人、あるいは一人の天皇の宮廷が作ったものであると認めるという事実から来ていた」です。but以下はno attemptが主語になっているのがやっかいです。日本語では主語で否定を表現することはないので、「試みが…ない」と分けて訳すしかありません。この文だと「試みが全くなされなかった」です。最後の部分はconnect A with B(AとBを結びつける)という構造が見えるかどうかがポイントです。これを踏まえて後半全体を訳すと、「ある詩のもととなった愛の冒険と後続するページの冒険とを結びけるために、何らの試みもなされなかった」です。

 

この引用箇所にも登場した、asの訳し方に苦労するとおっしゃられました。これは多くの人が感じることでしょう。