・『西洋古典を読む』(対象:中学・高校生)
  水曜18:40~20:00 担当 福西亮馬


※ 2019年1月16日より、ウェルギリウス『アエネイス』を読み進めています。
     興味をお持ちの方は是非ご参加下さい!

  

テキストの進捗状況など、クラスの様子はこちらを御覧ください ⇒ ●「西洋古典を読む」ブログ記事

(以下は、これまでのクラスの内容です。)
世の中には、「古典のことはよく分からない。読むのも訳するのも時間がかかる」と言う人と、「だからいい。なぜなら自分で立ち止まって考える時間が増えるか ら」と言葉を接ぐ人と、両方います。どちらも真実を言っており、前者は定説的で、後者は逆説的です。ビジネス書と違って、古典の文章はそれに注力した時間 が長ければ長いほど、その人にとって、輝かしい価値を持ちます。打てば響くというわけです。そしていつしかその人の精神における不動の地位を得ます。クラシック(第一席)と呼ばれるゆえんです。

西洋古典の最初のテキストは、セネカ『人生の短さについて』(茂手木元蔵訳、岩波文庫)を読みます。「曰く、人生は短い」という定説で始まり、次いで、「われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを浪費しているのである。人生は十分に 長く、その全体が有効に費やされるならば、もっとも偉大なことをも完成できるほど豊富に与えられている」という逆説で文章が展開します。このような論理 は、おそらく十代の若者の心を掴んで離さないでしょう。若いうちにこそ、学ぶ姿勢をはっとただされる、そんな名文だと思います。もとより古来より愛されて きたわけです。しかもそれほど長文ではありません。岩波文庫で50ページほどです。それを丸ごと味わって読みたいという人は、ぜひご参加ください。