「漢文講読Ⅱ」「東洋古典を読む」を受講して
私は2021年度の春学期に「漢文講読Ⅱ」「東洋古典を読む」クラスを受講しました。両方のクラスを受講したのは私だけでした。2つの講座合計3時間弱で、その上事前に予習もあるので大変ですが、かなり実力がついたと実感しています(秋学期は漢文関連は2つ増えて4クラスになるそうです)
私は、もともと漢文や漢詩が好きでしたが、中学高校以外で漢文を習ったことはありませんでした。(白文に挑戦した経験はほとんどありませんでした)
講座の初回の前に、テキストを初めて見たときは驚きました。本文は大きい字で、後世の人のつけた注釈は小さい字でずらりと書かれていました。高校の頃は漢文が得意ではありましたが、かなりの量の白文を前に途方に暮れました。
しかし、講座自体は少人数ということもあって、わからない所を丁寧に教えてもらえたので、講座を数回受けた頃には辞書や漢文法のテキストを上手く使ってある程度読めるようになりました。
中学・高校での漢文の授業は、句法を覚えることに重きが置かれていましたが、(もちろんそれも重要だと思いますが)この講座では、長い文をしっかり読み解きそして味わうことを大切にしていて楽しかったです。また、史記の本文は分かりづらいところがあり、注釈を読んで先達の意見を参考に読むとよく理解ができたり、より深く考えることができたりして、注釈を読むことの面白さにも気づきました。そして、訓読と現代語訳は、必ずしも1つの正解があるわけではなく、様々な解釈が生じる場合があって面白いです。
斎藤先生の丁寧でわかりやすい解説があるので、漢文に興味はあるものの自信のない方にもおすすめします。また、テキストとなる漢文の時代背景や文中に出てくるものについても写真とともに解説があって勉強になります。
また、他の受講生の方の鋭い質問も大いに勉強になります。私自身は理解したつもりになっているところを、他の方が深く考えて質問をなさっています。遠方の皆様とともに学ぶことができるのは、地方在住で漢文をともに学ぶ仲間がいない私にとってはとても有難いです。(受講生T.Kさん)