愛はすべてに勝つ

山下です。

ラテン語に、次の言葉があります。

Omnia vincit Amor.

このフレーズは、ウェルギリウスの『牧歌』に出てきます。アモルは大文字で記されるのが一般で、つまりは、愛の神(クピードー)のことです。

動物はもちろんのこと、どれだけ理性のある人間も、愛の神にはあらがえない、という意味で使われています。

しかし、後代になって、この言葉は元の意味から離れて一人歩きを始めます。

そして、私たちがこのフレーズに期待するところの「愛があれば何にでも打ち勝てる」というポジティブな意味で解釈されるようになります。

なお、ラテン語の「愛」とは精神の情熱の言い換えで使われるケースが多く見られます。

「アエネイス」には「精神は大塊を動かす」という言葉があり、私はその意味でこの Omnia vincit Amor を理解したいと思います。

意訳すると、「情熱があれば夢はかなう」となります。